中東問題と金の高騰
2020/02/05近年、米中貿易摩擦や気候変動による自然災害など世界の情勢は不安定で、その背景から「有事の金」とも呼ばれる安全資産「金(GOLD)」を求める動きが広がり、金価格が上昇しています。特にアメリカとイランの緊張の高まりは、金相場に直接影響が出ています。今回はそんな中東問題を始めとする世界情勢と金価格高騰の関係性について触れてみたいと思います。


大嶋 雄介
2015年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げ、その後、営業企画部に進出し、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析をじっくりと、緻密な専門知識を深化させています。
◾️ 目次
金相場と金投資のキホン
世界の不安定な情勢と金相場の高騰
昨今、経済面において米中貿易摩擦や超金融緩和政策、環境・衛生面においては気候変動による自然災害や新型ウイルス発生など、世界は不安定な情勢が続いています。
このような、世界の景気懸念や特定地域が抱える政治的・社会的な緊張への警戒感から、世界共通の価値であり、有事の際の安全資産とも言われる「金(GOLD)」が注目され、現在「金相場」は高値で推移しています。
金相場とは?
金相場とは、世界の金市場で取引される際の価格のことを指します。
国際日付変更線に近い国から順に、シドニー、東京、香港、シンガポール、チューリッヒ、パリ、ロンドン、ニューヨークと時差を追って取引が行われ、為替市場と同様に24時間休むことなく変動しています。
ロンドン市場とニューヨーク市場の役割
ロンドン市場
毎日午前・午後の2回、「現物取引」の価格が決められる。
ニューヨーク市場
国際経済の指標ともなる「先物取引」の価格が決められる。
金の取引単位
金の取引は以下の単位で行われます。
トロイオンス(oz)
国際取引で一般的に用いられる。
グラム(g)
日本国内では1グラムあたりの円建価格で取引される。
日本国内の金価格は、米ドル建てのトロイオンス価格を基準に、円建て価格へ換算されて公開されます。
個人向けの金投資の種類
金投資には以下のような方法があります。
金地金・金貨
インゴット(金塊)や各国政府発行の金貨を購入し、自身で保管。
純金積立
貴金属商や銀行などを通じ、毎月一定額の金を積み立てる。
金上場投資信託(ETF)
金地金を有価証券化し、証券取引所で売買可能にした金融商品。
金投資の魅力
金は株式や債券と異なり、配当金や利息は生まないため、「もうける」よりも「ためておく」資産としての側面が強いです。
一方で、株式などの金融商品は価値がゼロになる可能性がありますが、金は価値がゼロになることはないという点が最大の魅力と言えるでしょう。
金が高騰する背景
前述の通り、現在金相場は高値で推移しています。では、具体的にどのような要因が金価格の上昇を引き起こしているのでしょうか?
① 世界的な超低金利政策の影響
アメリカや日本をはじめとする経済主要国では、超低金利政策が継続されています。
低金利環境では、銀行預金や債券の利回りが低下し、「利息はつかないが価値がゼロにならない」金の魅力が相対的に高まるため、金価格の上昇につながります。
② 世界経済のリスクと地政学的リスクの高まり
世界経済の先行き不透明感や景気懸念が高まると、安全資産としての金の需要が増加します。特に、地政学的リスクが高まると金価格は急騰しやすい傾向があります。
地政学的リスクとは?
地政学的リスクとは、特定の地域で発生する政治的・軍事的・社会的な緊張が、世界経済全体に影響を及ぼすリスクのことを指します。例えば、戦争、テロ、政情不安、貿易摩擦などが該当し、これらのリスクが高まると投資家は安全資産である金を購入する傾向にあります。
③ 過去の有事と金価格の関係
「有事の金」と言われるように、歴史的にも地政学的リスクの高まりが金価格の急騰を引き起こしてきました。
- 1973年 第四次中東戦争 → 原油高騰による第一次オイルショックを経て、1974年に金価格が急騰。
- 1978年 イラン革命 → 政情不安により金需要が急増。
- 1990年 湾岸戦争 → 中東の軍事的緊張の高まりが金価格を押し上げる。
- 2001年 アメリカ同時多発テロ → 世界的な不安感が広がり金価格が急騰。
- 2003年 イラク戦争 → 戦争リスクを背景に金が買われる。
このように、地政学的リスクは金相場に大きな影響を与えるため、投資判断においても重要な指標となっています。
中東情勢緊張と金の関係
2020年の地政学的リスクと金価格の動向
① アメリカとイランの緊張関係
2020年1月、アメリカがイランの司令官を殺害したことを発端に、両国の緊張は一気に高まりました。一部では「第三次世界大戦」の可能性すら懸念され、有事に備える資産防衛として金価格が急騰しました。日本国内においても、金の買取価格は約40年ぶりの高値を記録し、その後一時的に緊張が和らいだものの、高値を維持し続けています(2020年2月時点)。
② 新型ウイルス感染拡大と金融市場の混乱
2020年に入り、新型ウイルスの感染拡大が世界の金融市場に大きな影響を与えました。一般的に、金相場と株価には逆相関性があるとされており、株価が下がると金価格が上がる傾向にあります。実際、アメリカが中国を「為替操作国」に認定した際には、金融市場がリスク回避の動きに傾き、世界同時株安とともに金価格が高騰しました。しかし2020年に関しては、金と株が同時に上昇する可能性が高いとも指摘されています。不安定な中東情勢や世界的な経済リスクが背景にあるため、投資家はリスク分散の一環として金と株の両方を購入している状況です。
③ 金価格の売却タイミング
金は持っているだけでは利子や配当を生まないため、投資家によっては、相場が急騰したタイミングを売却のチャンスと捉える動きも見られます。
④ 2020年11月のアメリカ大統領選挙と金相場の影響
2020年11月にはアメリカ大統領選挙があり、再選を狙うトランプ大統領は、アメリカ国内の金融政策に力を入れてくるはずです。
2019年8月から急騰した金の相場も、元を正せば世界経済の不安定要素と言われる大統領の意思決定「トランプ・リスク」が要因であると言われています。
⑤ 今後の展望
安全資産として存在感を高めている金ですが、大統領選の結果によっては今後どう値動きするか予想がつきません。今は買いなのか、逆に金の需要が増えている今が売り時と考えるのか、先行き不透明感が拭えない世界情勢から今後もますます目が離せません。
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