新型コロナウイルス流行による金(GOLD)の高騰について
2020/04/10ここ数年、世界が「有事の金」とも呼ばれる安全資産「金(GOLD)」の買いに殺到し、金相場が上昇しています。その背景には、2019年の米中貿易摩擦や世界的な気候変動による自然災害の数々、2020年早々には、アメリカとイランの緊張関係と言った先行きの見えない不安定要素にあると言われています。そして、新型コロナウイルスの流行。今回はそんな戦後最大の危機と金相場の関係についてお話したいと思います。


大嶋 雄介
2015年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げ、その後、営業企画部に進出し、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析をじっくりと、緻密な専門知識を深化させています。
金相場のキホンと高騰する理由
世界の不安定な情勢と金相場の高騰
近年、米中貿易摩擦やアメリカとイランの緊張関係、地球規模の気候変動による自然災害など、世界は不安定な情勢が続いています。
新型コロナウイルスによる影響
2019年11月に中国の武漢で最初の発生が確認され、翌2020年に入ると急激に世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、世界情勢に深刻なダメージを与え続けています。
金相場の高騰とその背景
このパンデミック(感染症や伝染病の世界的な大流行)は、世界各国で「戦後最大の危機」と警鐘を鳴らしたことから、世界共通の価値であり、有事の際の安全資産とも言われる「金(GOLD)」に注目が集まり、2019年から続く「金相場」の高騰は、さらなる高値で推移しています。
金相場とは?
ここで金相場や金投資について簡単に説明しておきますと、金相場とは、世界の金市場で取引される際の値段であり、国際日付変更線に近い国から時差を追って、シドニー、東京、香港、シンガポール、チューリッヒ、パリ、ロンドン、ニューヨークなど各市場に受け継がれ、為替などと同じように休むことなく常に変動しています。
金市場の主要取引
その中で、ロンドン市場は毎日午前と午後の2回、金現物の価格「現物取引」の値決めが行われ、ニューヨーク市場では国際経済の指標としても用いられる、価格の決まっていない未来の金を取引する「先物取引」が決められています。
金の取引単位
金は通常、貴金属や宝石の計量に使用される単位「トロイオンス(日本での記号はoz)」、もしくは「グラム」で取引単位が決められていて、国際的には1トロイオンスあたりの米ドル建で取り引きされており、日本国内での店頭表示価格は、その米ドル建の価格をもとに、1グラムあたりの円建価格に換算され公開されています。
代表的な金投資の方法
個人が多く手掛ける金の投資には、以下のような方法があります。
・金地金・金貨の購入
インゴット(金塊)や投資用の金貨を購入し、自身で保管する。
・純金積立
貴金属商・商社・銀行などの運営会社を通じ、毎月決まった金額の金を購入し保管してもらう。
・金上場投資信託(金ETF)
金地金そのものを有価証券化し、証券取引所に上場した金融商品に投資する。
金相場が高騰する主な要因
金相場が高騰する要因は、主に以下の二つが挙げられます。
1.超低金利政策の影響
アメリカや日本などの経済主要国が超低金利策を採用し、利息のつかない金の価値が相対的に高まる。
2.世界経済や地政学的リスクの高まり
つまり、前者は経済主要国の超低金利政策によりマイナス金利になる国家も増えており、金利は生まないが価値がマイナスにはならないこと、後者では株式などの金融商品のように価値がゼロにならないため、情勢不安などによる有事の際の備えにはリスクヘッジが効くこと、などの理由で金に注目が集まり高騰するのです。
金投資のスタンス
各国の中央銀行や国家機関、投資家にとって金の投資とは、株式・債券などと違い配当金や利息は生まないため、有事の際の安全資産としてあくまでも「もうける」というよりは「ためておく」というスタンスが強い傾向にあります。
「有事の金」と「コロナショック」
有事における金価格の高騰
世界情勢や経済の先行きが不透明になったとき、安全資産として買われ価格が高騰する「有事の金」。過去の有事を振り返ると、金価格の上昇が見られます。
過去の有事と金価格の推移
1973年:第四次中東戦争
日本は原油価格の高騰により第一次オイルショックが発生し、経済的打撃を受けました。その影響で、翌1974年には世界的に金価格が急騰しました。
1979年:旧ソ連軍によるアフガニスタン侵攻
1990年:湾岸戦争
2001年:アメリカ同時多発テロ
2003年:イラク戦争
これらの有事において、いずれも世界的に金価格が急騰しています。
近年の有事と金価格の動向
2019年:米中貿易摩擦
日本国内の円建て金価格は約40年ぶりの高値を記録。
2020年:アメリカとイランの緊張関係
「第三次世界大戦」につながる懸念から、安全資産としての金が買われ、高騰。
気候変動と金価格の上昇
近年、地球温暖化の影響による大規模な自然災害が多発し、世界経済への影響が顕著になっています。その結果、投資家を中心に金価格が高騰する傾向があります。
新型コロナウイルスと金相場の動き
・2019年11月:武漢で発生し、2020年にパンデミックへと拡大。
・世界経済の不安定化により、安全資産としての「有事の金買い」が進行。
・一時的な下落を挟みつつも、記録的な高値で推移(2020年3月時点)。
コロナショックと「有事の下落」
新型コロナウイルス感染拡大により、ニューヨーク株式市場は世界的な株価大暴落となり、「ブラックマンデー」や「リーマン・ショック」を彷彿とさせる大幅下落。
さらに、投資家が現金確保のために金を売却する「換金売り」によって、金価格が一時的に下落する「有事の下落」現象が発生しました。
「安全資産」と呼ばれてきた金の今後
コロナショックと金のパニック売り
新型コロナウイルス感染拡大は戦争に例えられるほど世界各国の緊迫感を高め、世界同時株安を引き起こしました。その結果、投資家の不安が増大し、2008年のリーマン・ショック時と同様に「金のパニック売り」が発生しました。
金相場の回復と株価との逆相関
一時的に「安全資産」の金までもが売られる事態となりましたが、その後の金相場は短期的な下落を挟みながらも、一貫して上昇傾向を維持しています(2020年3月時点)。
一般的に金相場と株価には逆相関性があり、株価が下がれば金価格が上がる傾向があります。
コロナショックの際も、一過性の換金売りが発生したものの、再び「安全資産」として金が買われ始め、金価格は上昇しました。
過去の感染症と金価格の動向
興味深いことに、2000年以降に世界的に流行した感染症—
・2002年:SARS
・2012年:MERS
・2013年:鳥インフルエンザ(H7N9亜型)
これらの感染症では、株式市場は一時的な打撃を受けたものの、その後回復し株価は上昇傾向に戻りました。この流れを考えると、新型コロナウイルスの感染拡大が収束すれば、中長期的に株価が上昇し、それに伴い金相場は下落する可能性があると考えられます。
先行きの見えない経済と金市場の不安定さ
専門家は、コロナウイルス感染拡大による世界経済の減速・停滞がさらに強まれば、金融市場が今まで以上にパニックに陥る可能性があると警鐘を鳴らしています。
アメリカの大手金融会社ゴールドマン・サックスは金を「最後の安全資産」と呼んでいますが、経済活動の停滞と世界景気の不透明感が続く限り、市場の不安定な動きが金市場にも影響を及ぼし、再び金の投げ売りが発生する可能性もあります。
コロナショックが教えてくれたこと
今回のコロナショックは、我々に「安全資産」とはいえ必ずしも安定しているわけではないという重要な教訓を示しました。市場の混乱時には、資産の価値が大きく変動し、従来のセオリーが通用しない局面もあるため、柔軟な投資戦略が求められます。
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