金って何に使われている?金の使用用途

2015/07/01
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金と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、やはりアクセサリー。
世界における金の消費量の70%を宝飾品が占めていると言われているため、当然かもしれません。
しかし、金は美術品や伝統工芸品、建築物、通貨、そして投資用の金地金などにも利用されています。今回は、さまざまな分野で活用されている金の使用用途についてご紹介しましょう。

大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2015年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げ、その後、営業企画部に進出し、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析をじっくりと、緻密な専門知識を深化させています。

工業用品としての金

1.優れた導電性と耐食性

金は優れた電気伝導性を持ち、酸化や腐食に強いため、電化製品のベースとなる回路基板や電子部品、半導体パッケージの電極と集積回路の電極を接続する「ワイヤボンディング」や配線の金メッキとして広く使用されています。特にスマートフォンやコンピューターなどの精密機器では微小な電流を確実に伝える必要があり、金メッキが施されたコネクターや端子が採用されています。また酸や湿気の影響を受けにくいため長期間の安定した動作が求められる宇宙機器や医療機器にも用いられています。

2.触媒や高機能材料としての利用

金は化学的に安定しているが、ナノ粒子の状態になると触媒としての特性を発揮します。例えば自動車の排ガス浄化装置や燃料電池の電極触媒として使用されています。また金ナノ粒子は医療分野でも注目されており、がんの診断や治療において標的部位に薬剤を運ぶキャリアとして研究が進められています。

3.熱と光を活用した応用

金は赤外線を反射する性質を持ち、航空機の窓や宇宙服のバイザーにコーティングされていて熱を遮断する目的で使われています。また金の薄膜は光学機器や高精度測定機器のミラーとして反射率を上げる為に利用されています。

医療用品としての金

1.生体適合性と歯科用途

金は人体に対して高い生体適合性を持ち、アレルギー反応を引き起こしにくいため、歯科治療で広く使用されています。一番知られているのは歯科材料の金歯でしょう。金合金の詰め物やクラウン(被せ物)は、耐久性が高く、酸や唾液による腐食を受けにくいため、長期間の使用に適しています。また、関節置換や心臓用の医療機器の部品にも用いられることがある。

2.ナノテクノロジーとがん治療

金ナノ粒子は、医療分野での研究が進んでおり、がん治療や診断に応用されています。例えば、金ナノ粒子を標的のがん細胞に集め、レーザーを照射することで熱を発生させ、がん細胞を選択的に破壊する治療法が開発されているそうです。また、金を用いた薬剤送達システム(ドラッグデリバリーシステム)は、服用した薬剤が体内で特定の部位に、必要な量、適切な時間作用するように剤形や化学構造に工夫を施す技術です。

3.検査・診断技術への応用

金の光学特性を利用した検査技術も発展している。例えば、妊娠検査薬や感染症の迅速診断キットには、金ナノ粒子(金コロイド)の持つ特異な光学的性質を利用した「ラテラルフローアッセイ」という技術が用いられています。これにより血液や尿の微量な成分を迅速に検出し正確な診断を可能にしている。

美容製品としての金

1.スキンケアと抗酸化作用

金は抗酸化作用を持ち、肌の老化を防ぐ目的で美容製品に取り入れられている。金箔や金ナノ粒子を配合した化粧品は、肌のターンオーバーを促進し、ハリやツヤを与えるとされています。特に、高級フェイスクリームや美容液、パックなどに使用されることが多いそうです。

2.微弱電流による肌活性化

金は電気を通しやすい性質を持つため、微弱な電流を発生させ血行を促進する効果があるとされています。これにより肌の代謝が活発になり、くすみやシワの改善に寄与すると考えられているそうです。また、美顔ローラーやエステ機器の電極部分にも金メッキが施されることがあります。

3.金箔エステと高級美容トリートメント

エステ業界では、金箔を直接肌に貼る「金箔エステ」が人気を集めています。金が持つリフトアップ効果やデトックス作用が期待され、特に高級スパやエステサロンで取り入れられています。さらに、金の抗菌作用を活かしたスキンケア製品も開発されています。

食用としての金

1.高級感を演出する装飾用途

食用金箔は、料理や飲み物に高級感を加えるために使われます。和菓子、チョコレート、寿司、日本酒などに金箔が添えられることで、見た目の美しさや贅沢な印象が演出される。特に、祝祭や特別な席で振る舞われる料理に多く見られる。

2.無味無臭で安全な食品添加物

金は化学的に非常に安定しており、体内で吸収されずにそのまま排出されるため、食用としても安全とされています。食品添加物として認可されており、欧米や日本などで広く使用されていますが、栄養価はほとんどなく主に装飾目的での利用にとどまっています。

3.縁起物としての伝統

日本や中国では、金箔を用いた食品が「金運を呼ぶ」「健康や長寿をもたらす」として縁起の良いものと考えられてきました。特に正月や祝い事で金箔入りの日本酒や料理が振る舞われることが多く、こうした文化的背景から食用金箔は古くから特別な場面での演出に用いられてきました。

まとめ

金は、古代よりその美しい輝きで多くの人々に愛されてきました。だからこそ、優れた性質が早くから発見され、活用されてきたのかもしれません。近年では、毎日金に触れている金沢の金箔師にガン患者が少ないというデータが発表されるなど、金が持つ健康効果も注目されています。今後、さらに広い分野で活用されることが期待されている金属です。

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