金ETF・プラチナETFとは
2025/04/03
近年、投資の世界では金(ゴールド)やプラチナ(白金)といった貴金属が注目されています。特に2010年ごろから本格的に普及した金ETF・プラチナETFは、現物を持たず簡単に投資できる手段として人気があります。今回はETFの基本から、金・プラチナETFの特徴や仕組み、さらには市場や相場に与える影響について解説していきます。

大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げ、その後、営業企画部に進出し、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析をじっくりと、緻密な専門知識を深化させています。
目次
ETF(上場投資信託)とは
昨今、不安定な国際情勢や世界経済の低迷などから、貴金属への投資が注目されています。特に金(ゴールド)の相場は、記録的な高騰を繰り返しており、個人の多くが利用する金の投資として、「金地金」「金貨」「純金積立」「金ETF(金上場投資信託)」といった手段に人気が集まっています。
金地金
「金地金」はインゴットや金塊などを購入して自身で保管するもので、「金貨」も世界各国の政府が発行する投資用の金貨を購入し自身で保管します。「純金積立」は貴金属商・商社・銀行などから毎月決まった金額の金を購入し、保管は運営会社で行います。
金ETF(金上場投資信託)について
では「金ETF(金上場投資信託)」と言いますと、簡潔に言えば現物を持たず簡単に投資できる手段です。今回は2010年ごろから本格的に普及した、注目の貴金属投資「金ETF・プラチナETF」について解説させていただきます。
ETFとは
まずETFとは「Exchange Traded Fund」の頭文字をとった略で、日本語では「上場投資信託」のことを指します。一般に投資信託とは、投資家などから集めた資金を元手に、専門家が債券・株式・不動産などに分散させて投資・運用を行い、成果を出資元に分配する金融商品のことです。ETF(上場投資信託)は、上場している株式と同じように、証券取引所が開いている時間であれば、好きなタイミングで自由に売買できるのが特徴です。
ETFにまつわる価格の仕組みについて
またETFの価格は、基本的に連動する指数や資産の価格に基づいて決定されます。連動対象となる指数・セクター(業種やテーマで分類したグループ)・資産の価格には、日本の代表的な企業225社の動きに合わせて値段が変わる「日経225連動型上場投資信託」や、東証株価指数(TOPIX)に連動する「TOPIX連動型上場投資信託」等の国内株式指数、アメリカの大企業500社の動きに合わせて値段が変わる「SPDR S&P500 ETF」等の海外株式指数、原油・金・プラチナといったコモディティ(商品)の相場など、様々な対象が存在しそれぞれの指数の動きに応じて価格が変動します。
これにより、例えば株式指数に連動するETFであれば、一つのETFを購入することで投資家は少額から分散投資が可能になり、個別銘柄に投資するよりもリスクを抑えられるメリットがあります。
ETFの投資対象
そしてETF(上場投資信託)は、前述で述べたとおり投資対象に応じてさまざまな種類が存在します。代表的なものとしては、株価指数に連動する「インデックス型ETF」、特定の業種やテーマに投資する「セクターETF」、債券市場に投資する「債券ETF」、コモディティ(商品)に投資する「コモディティETF」などがあります。今回のテーマである、金ETFやプラチナETFはこのコモディティETFに分類されます。
金ETF・プラチナETFの仕組み
近年貴金属市場においては、金(ゴールド)やプラチナ(白金)の相場に連動するETFが登場し、投資家にとってより手軽に貴金属投資を行える手段となりました。金やプラチナといった貴金属を対象とするETFは、インフレ対策やリスク回避の手段として特に人気があります。これは、貴金属が事実上の実物資産であり、株式や債券のように発行体の信用リスクに依存しないため、金融危機時や景気後退時に資金の避難先として利用されることが多いためです。
金ETF・プラチナETF
金ETF・プラチナETFは、それぞれ金・プラチナの価格に連動するETF(上場投資信託)であり、投資家は現物を持たずに貴金属の価格変動を利用して投資を行うことができ、管理の手間もかからず少額から始められる点が魅力です。
「現物型」
また金とプラチナのETFには、「現物型」と「先物型」の2種類が存在します。「現物型」は、運用会社が実際に金やプラチナの現物を保有し、その価値に基づいて価格が決まるのが特徴です。代表的な銘柄として「SPDRゴールドシェア「純金上場信託」「純プラチナ上場信託」があり、現物に裏付けられているため長期投資に向いています。ただし、保管コストや管理費用(信託報酬)が発生する点には注意が必要になります。
「先物型」
一方、「先物型」は先物市場において金・プラチナを売買し、その相場の変動に応じてETFの価格が決まる仕組みになっています。「WisdomTree 金上場投信」や「WisdomTree プラチナ上場投信」が代表的な銘柄で、短期売買に適しており流動性が高いのがメリットですが、先物価格の変動リスクとして、将来の相場より高い状態(コンタンゴ)・安い状態(バックワーデーション)の影響を受けやすい側面もあります。
ETFが金相場・プラチナ相場に与える影響
金ETF・プラチナETFは、貴金属市場の価格(相場)形成に大きな影響を与えています。
金ETFの普及と金相場の上昇
ETF(上場投資信託)の普及により、個人投資家や機関投資家が貴金属市場に参入しやすくなったため、実需(宝飾品・工業用途)に加えて、投資需要が相場を押し上げる要因となっています。特に2008年の金融危機いわゆる“リーマンショック”以降、金ETFの普及が進み、金相場が大幅に上昇しました。
また、ETFは証券市場で株式のように売買できるため、短期的な資金の流入・流出が発生しやすく、価格変動(ボラティリティ)が大きくなる傾向があります。機関投資家や投機筋がETFを活用することで、相場の変動が拡大することも少なくありません。
さらに、先物型ETFは先物市場での価格形成にも影響を与えます。ETFの資金流入が増えると、運用会社が先物契約を大量に購入するため、先物相場が上昇し、それが現物市場にも波及することがあります。
金・プラチナにおける市場特性
金とプラチナでは市場特性が異なり、金は“安全資産”としての側面が強く、景気後退時や金融危機時に資金が流入しやすい傾向があります。一方、プラチナは工業用途(特に自動車の触媒用途)が多いため、景気動向に左右されやすいという特徴があります。そのためETFの相場に与える影響も金とプラチナで異なる動きをすることがあります。
最後に
最後に、金ETF(金上場投資信託)・プラチナETF(プラチナ上場投資信託)を活用することで、貴金属市場への投資がより身近になりましたが、投資をする際には相場変動リスクを理解した上で、市場の動向をしっかりチェックすることが大切になります。ぜひゴールドプラザの金相場・プラチナ相場推移チャートを参考にお役立てください。
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