高騰する金!今後の金価格予想

2020/08/10

貴金属画像①
2020年、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受け、世界経済は深刻なダメージを受けています。そんな中、金価格の高騰が止まりません。「有事の金」と呼ばれる安全資産「金(GOLD)」が買われる理由には、先行きの見えない不安心理が作用しているようです。今回は、「金価格の今後」について予想してみたいと思います。

金相場が上げ下げする理由

2020年、急激に世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)。この影響を受け世界経済は大打撃を受けています。各国首脳も感染阻止と経済活動回復の両輪で、施策を次々と打っていますが有効な打ち手は未だみられない状況が続いています。
そのような中、世界の機関投資家や個人投資家の間で、「有事の金」とも呼ばれる安全資産「金(GOLD)」に買いが殺到し、金価格が高騰し続けています。
その要因には、世界中で前代未聞のウイルス感染症拡大といった、先行きの見えない不安定要素が大きく影響を及ぼしています。
ではなぜ、有事の際に「金(GOLD)」が注目されるのでしょうか。ここで少し、金投資の基本的な特徴と金相場が上げ下げする理由を説明させていただきます。

みなさんがご存知の代表的な金融商品の投資においては、株式・債券・投資信託・FXなどを思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。
一方、金の投資で言いますと、個人の方が多く手掛ける代表的なものとして「金地金」「金貨」「純金積立」「金上場投資信託(ETF)」などの投資があり、それら共通の認識として「もうける」というよりは「ためておく」というイメージが一般的です。
その理由としては、金は持っていても利子や配当を生まないが、金自体に価値があり、他の投資と違い価値がゼロになることはないということが挙げられます。そして利益を生まないため多くの投資家が、いざという時や相場が急騰し利益確定した際に売却する傾向にあるのも、金投資の大きな特徴になります。

金相場については、世界の金市場で取引される際の値段であり、国際日付変更線に近い国から時差を追って、シドニー、東京、香港、シンガポール、チューリッヒ、パリ、ロンドン、ニューヨークなど各市場に受け継がれ、為替などと同じように休むことなく常に変動しています。
そして、ロンドン市場においては毎日午前と午後の2回、金現物の価格「現物取引」の値決めが行われ、ニューヨーク市場においては国際経済の指標としても用いられる、価格の決まっていない未来の金を取引する「先物取引」が決められています。

では、そんな毎日動いている金相場が高騰する理由は、一般にどんな要因があげられるでしょう。
様々な要因はありますが、ここでは大きく三つ挙げさせていただきます。
一つ目に、地政学的リスクが高まると金価格が上がると言われています。
地政学的リスクとは、世界のある特定の地域が抱える政治的、軍事的、社会的な緊張の高まりによって、その地域の経済や世界経済全体の先行きを不透明にするリスクを指します。
二つ目に、先進国(G7)などの経済主要国における世界的な超低金利政策の代替投資先として、価値がゼロにならない金への買いが集中し高値で推移します。
三つ目に、世界の基軸通貨である米ドルに対する信用が揺らぐことで、長期的な推移でのリスクヘッジとして金が注目され、需要が下がった米ドルを売り、相対的に金相場が上昇する傾向にあります。

逆に、金相場が下がる理由にはどんな理由があるでしょう。
一言で言ってしまえば、前述の「金相場が高騰する理由」の逆になります。
地政学的リスクが低くなり世界経済が安定する。世界経済が好景気に沸き、投資家たちの投資対象が利子や配当を生まない金以外に向けられる。世界の基軸通貨(米ドル)の価値が上がることで、利益を生まない金への魅力が下がる。
また、一般的に金の相場と株価には逆相関性があると言われ、株価が上がれば金の相場は下がり、株価が下がれば金の相場が上がるというセオリーから、多くの投資家がリスク分散として、株と組み合わせて金を保有する傾向があります。

このように「有事の金」と言われる金(GOLD)ですが、世界経済や金融市場においての不安心理が膨らみはじめることで価格が上がる、世界共通の安全な資産と考えられているのです。
金レート(コラム用)

コロナショックにおける金高騰の要因

過去の歴史を振り返ると、世界情勢・経済の先行きが不透明になるなど有事の際には、必ずと言って良いほど安全資産として買われ価格が高騰する「金(GOLD)」。1979年の旧ソ連軍によるアフガニスタン侵攻、1990年の湾岸戦争、2001年のアメリカ同時多発テロ、2003年のイラク戦争、2019年に顕著になった米中貿易摩擦、2020年初頭のアメリカとイランの緊張関係など、いずれも金価格が急騰しています。
そして、2020年の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大。この未曾有の危機的状況となった世界的パンデミック(感染症や伝染病の世界的な大流行)により、世界経済は大混乱に陥りました。すでに専門家の間では、世界的株価大暴落となった「ブラックマンデー」や「リーマン・ショック」以上の大打撃とも言われています。
そうして、この「コロナショック」により金の高騰要素が揃いはじめ、金価格が歴史的な高値圏を推移しているのです。
その具体的な要因として
1.世界各国の中央銀行を中心にコロナショック不況へ備えた、大規模な金融緩和や財政対策
2.国際経済の指標ともなる、アメリカの中央銀行にあたる「連邦準備制度理事会(FRB)」による、政策金利をほぼゼロ%までに引き下げた超低金利政策と、おおよそ7000億ドル規模の資産の買い入れによる量的緩和政策
3.GDP1位のアメリカと2位の中国による、様々な局面での政治的対立の激化
などが挙げられます。

また、それ以外にも2020年5月にアメリカで発生した、白人警官による黒人男性への残虐行為に抗議した運動「BLM(ブラック・ライブズ・マター)運動」や、中国の香港統治等を巡る問題が、世界中に波紋を広げ人々の不安心理をさらに高めています。
一方、2019年に金の産出量が11年ぶりの減少となったことや、金の埋蔵量がこのままですとあと10年で枯渇すると言われ、将来的には金の需要と供給のバランスが崩れるとされる「ピークゴールド説」の問題も要因として目が離せません。

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世界情勢を見据えた、今後の金価格予想

現在(2020年8月時点)、世界の情勢は先行きの見えない状況にあります。
世界各国の財政出動や金融政策でいえば、世界経済は金融緩和政策等の影響を受け「おかね(通貨)が溢れている状態」で、金以外の魅力的な投資先が見当たらない状況です。
米中の対立でいえば、情報漏洩などの恐れからお互いに「総領事館」を閉鎖させるなど、対立は激化する一方です。また、中国のコロナウイルス発生源に対する報告の非難がドイツやイギリスなどの国からも起こっています。
ウイルス感染対策でいえば、最大の対策であるワクチン開発の成功や普及に長期間を要すると言われています。

そして、「インフレ懸念やデフォルト危機」「発展途上国におけるコロナウイルスの蔓延」「企業や個人の債務の増加」「倒産企業の増加」「失業率拡大」など不確定要素もこれから待ち受けています。
また、アメリカ大統領選や2021年に開催される予定の東京オリンピックなども、どうなるか不透明な状況です。

金価格の今後の予測においても、2008年のリーマン・ショック時と同様に、投資家の大きな不安心理から現金確保を目的とした「金のパニック売り」と言った動きで、一時的に「金の換金売り」がされ金価格が下落しましたが、その後は再び上昇基調が続いていますし、これからも、このコロナショックによる不安定要素や不安心理が拭えない限り、金の価格は高値で推移していくでしょう。

一方、単にコロナショックをきっかけとした不安心理によるものであれば、新型コロナウイルス感染症のワクチンが早期に開発されるなど、感染拡大の見通しが改善され落ち着けば安心感が生まれ、世界経済はV字回復は難しいが、U字回復として復調する傾向も予測されています。もちろん、各国も経済の復調傾向が出始めれば、金融緩和の引き締めや停止、無制限の量的緩和を終焉させる方向に舵を切るでしょう。金価格についても「買われ過ぎ」の状態に調整が入る可能性もあります。

しかし、いまだに世界情勢においては新型コロナウイルス感染拡大が続いており、第二波・第三波と収束の兆しは見られていません。そして、この長期戦に備え、私たちも自身の資産について考える時期が来ているのかもしれません。
一部のファイナンシャルプランナーなどの専門家によると、コロナ禍において先が見通せない投資よりも「預金」が家族を救う、という意見もあります。
また、ある統計データでは、「過去の経済ショックや災害をきっかけにどのように資産を運用したか」において、「預金」が全体の約7割を占める結果が出ています。
さらに、コロナ禍で世帯収入も減っている今、手元にある程度(半年間生活できるぐらい)のいつでも引き出せる預金は作っておいた方が良いと言っています。
多くの投資専門家が今後も金の高騰はしばらく続くと予想を立てていますが、前代未聞の状況のため将来どうなるかは誰も分かりません。
また、「金(GOLD)」は持っているだけでは何も生み出しません。
「金(GOLD)」をお持ちである方であれば、高値で推移しているうちに売却し預金として現金を手元におくのも、様々な世界情勢の今後を鑑みると、コロナ不況を乗り越えるための手段の一つと言えるかも知れません。
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