金の融点は何度?特徴・沸点との違い・用途まで徹底解説
最終更新日:2025/07/01


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
金は美しさや希少性から古くから重宝されてきた貴金属ですが、その物理的性質もまた注目に値します。特に「融点」は、金の加工や利用範囲を決定づける重要な要素の一つです。本記事では、金の融点の数値や測定方法、温度による性質の変化に加え、沸点との違いや他金属との比較、さらには用途や融点を変化させる要因についても詳しく解説します。金という素材の奥深さを、科学と実用の両面からひも解いていきましょう。
金の融点は何度?
金(Au)の融点は約1,064度Cです。この高い融点は、金の純度や安定性の高さを示しており、さまざまな分野での利用を可能にしています。
金の融点をはかる方法
金の融点を測定するには、実験室や工業的な設備で「加熱法」が一般的に用いられます。試料に一定の温度で熱を加えながら、物理的な状態変化を観察し、固体から液体に変化するポイントを融点として記録します。加熱には電気炉やバーナー、時にはレーザー装置が使われ、正確な温度管理が求められます。
金は温度変化によって形状が変わる
金は熱に非常に敏感な金属であり、融点付近になると柔らかくなり、簡単に形を変えることが可能です。冷却すれば元の固体に戻るため、加工性に優れています。この性質により、ジュエリーや美術品、工業部品の成形に広く用いられています。
融点・沸点の違いとは
融点とは物質が固体から液体に変わる温度を指します。一方、沸点は液体が気体になる温度であり、金の場合は沸点は約2,856度Cです。融点は物質の結晶構造や分子間力に依存し、沸点は蒸気圧との関係で決まります。この2つは物質の性質を理解する上で基本的な指標です。
金の優れた特徴
金はその高い加工性と安定性、そして美しさから、古来より貴重な金属として重宝されてきました。
加工が容易
金は展延性に優れた金属で、非常に薄く延ばしたり、細かい形に加工することが可能です。柔らかく変形しやすい性質は、ジュエリー製作に理想的であり、また細かい電子部品の製造にも応用されています。さらに、溶かして鋳型に流し込む鋳造加工にも適しているため、工業製品にも利用されています。
腐食に対して高い耐性を持つ
金は空気や水、酸などに対して非常に安定しており、酸化や腐食がほとんど起こりません。このため、長期間の保存や使用が求められる製品、たとえば高級時計や記念コインなどに最適です。また、医療機器や電子部品にも用いられ、その耐久性が評価されています。
重量感がある
金は比重が約19.3と非常に高く、同じ大きさの他の金属に比べて重く感じます。この重量感は高級感を演出し、ジュエリーや装飾品において重要な要素とされています。
電気伝導性が高い
金は電気を非常によく通す性質を持っています。銀に次いで高い導電性を誇り、しかも酸化しないため、スマートフォンや高精度な電子機器の内部配線などにも利用されています。
金は何によって融点が変化する?
金の融点は一定ではなく、いくつかの要因によって変化することがあります。
圧力の影響
金の融点は高圧下ではわずかに上昇することがあります。これは、原子の動きが制限され、より高いエネルギーを必要とするためです。地球深部のような高圧環境では、この現象が顕著に見られます。
不純物が混ざる
金に他の金属や不純物が混ざると、融点は変化します。特に合金を作る際には、融点が下がることが多く、加工しやすくなるメリットがあります。たとえば、銅や銀との合金は、ジュエリーや工業用途に広く使用されています。
金をナノサイズに加工する
金をナノサイズにまで微細化すると、表面積が大きくなり、融点が大幅に低下します。これは「サイズ効果」と呼ばれ、ナノテクノロジーの分野での研究対象にもなっています。医療や電子機器での応用が期待されている分野です。
金属の種類別の融点
下記は主な金属の融点を比較した一覧です。
金属名 | 融点(℃) |
---|---|
金 | 約1,064 |
銀 | 約961 |
銅 | 約1,085 |
プラチナ | 約1,768 |
鉄 | 約1,538 |
アルミニウム | 約660 |
金属ごとに融点が違う理由
金属の融点は、原子の構造や結合の強さに左右されます。例えば、プラチナや鉄のように原子間の結合が強い金属は融点が高くなり、逆にアルミニウムのように結合が比較的弱いものは融点が低くなります。また、結晶構造の違いも融点に影響を与える要因の一つです。
金の代表的な用途
金はその特性を活かし、多岐にわたる分野で使用されています。
宝飾品
金はその美しさと加工性の高さから、指輪、ネックレス、ブレスレットなどの宝飾品に広く使用されています。
建築物
一部の歴史的建造物では、金箔や金張りが装飾として使われています。特に寺院や宗教的建築物では、その神聖さを象徴する素材として扱われています。
投資資産
金は長期的に安定した価値を保ちやすいため、現物資産として人気があります。インフレ対策やポートフォリオの分散手段として投資家に利用されています。
工業用
電子部品や接点、半導体の一部として使用されます。導電性と耐腐食性に優れるため、信頼性が求められる機器に最適です。
医療分野
歯科治療やインプラント、薬剤送達システムなど、医療現場でも金は活躍しています。人体への親和性が高いため、安全に利用できます。
美容分野
金箔を使用したスキンケアや美容マスクなど、高級志向の美容製品に用いられています。アンチエイジング効果が期待されることもあります。
食用の金箔
日本料理や洋菓子などの装飾に使われる金箔は、見た目の華やかさを演出し、特別感を高める素材として活用されています。
まとめ
金の融点は約1,064度Cであり、その加工性や耐久性、電気伝導性など、さまざまな特性により、工業から美容、投資まで幅広い用途に利用されています。融点や沸点の理解は、金の性質を知るうえでの基本であり、今後も多方面での活用が期待される貴重な金属です。
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