回復か?下落か?横ばいか?今後のプラチナ(白金)価格の傾向を予想

2020/10/07

希少性の高いレアメタルとして知られるプラチナ(白金)。日本でも宝飾品として人気が高い貴金属です。しかし近年、その価格は金(GOLD)を大きく下回っています。なぜ、このような状態に至ってしまったのか、その要因と今後のプラチナ(白金)価格の展望について解説させていただきます。
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レアメタル「プラチナ(白金)」の特徴とその需要と供給 

「プラチナ(白金)」と聞いて、みなさんが頭に思い浮かべるのは、ブライダルジュエリーを代表とする宝飾品ではないでしょうか。
そんなプラチナ(白金)の価格ですが、ここ数年は下落傾向にあり、同じ現物資産である金(GOLD)よりも希少価値の高い貴金属でありながら、金価格の方が大幅に上回っている状況です。この逆転現象の要因はなぜ起こったのか、そして今後のプラチナ(白金)価格はどうなるのか探っていきたいと思います。

まずは、プラチナ(白金)という貴金属の特徴について触れておきます。
「プラチナ」または「白金(はっきん)」と呼ばれるこの貴金属は、地球で採掘されるレアメタルのなかでも特に稀少とされ、その希少性から「貴重な・特別な」といった例えとして、「プラチナカード」や「プラチナチケット」のように使われています。
どのくらい貴重かと言いますと、大手貴金属調査会社リフィニティブGFMS社の2019年のレポートによると、金の鉱山生産量を100とすると、プラチナ(白金)の割合は5だそうです。つまり金の20分の1しか採れないということになります。ちなみに、銀が791、プラチナの割り金や代用としても使われるパラジウムは6だそうです。
また投資面において、金(GOLD)より遥かに希少でありながら、金は国の信用がなくても世界共通の価値となる無国籍通貨であるのに対し、プラチナ(白金)はお金を支払って買う商品としての貴金属になります。つまりプラチナ自体が通貨の代替にはならないという性格があります。

供給面においては、イギリスの貴金属製錬大手ジョンソン・マッセイの2019年のデータによると、プラチナ全体の4分の3(約74%)が鉱山から採掘されたもの、残りの4分の1(約26%)がリサイクルとして供給されています。
主な産出地は南アフリカ共和国を中心とした南アフリカ地域で、こちらもジョンソン・マッセイのデータ(2019年)によると、プラチナの鉱山生産国の割合は、南アフリカ73%・ロシア12%・その他(北米など)の順になっています。

そして需要面においては、2019年のプラチナ需要が多い国(エリア)として、欧州(約29%)・中国(約25%)・北米(約14%)・日本(約10%)・その他(約22%)と発表されています。
ちなみに用途としては、自動車の排気ガス浄化用コンバーターの触媒としての用途が約34%、化学製品や液晶ディスプレイ・医療機器といった工業用途に約29%、宝飾品として約24%、投資として約13%といった内訳になっています。(参考:ジョンソン・マッセイ社 2019データ)

このように、プラチナ全体の60%を超える量が自動車を含めた工業用として利用されており、その多くがヨーロッパでの需要となっています。また、宝飾品としての需要の割合が高いのが中国と日本になります。
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金価格を下回る、昨今のプラチナ(白金)相場と変動要因

クレジットカードにおいては、ゴールドカードよりプラチナカードのほうがグレードは上ですが、プラチナ(白金)の国際市場における相場についてはここ数年の下落傾向とともに、今や金(GOLD)価格の半値以下を推移しています。
両者の国際取引価格は2015年初めから逆転したままの状態で、その大きな変動要因としてヨーロッパを中心とした脱ディーゼル車シフトの影響が挙げられます。
逆転現象が始まった2015年には、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)による排気ガスのデータ不正問題が発覚し、さらに排気ガスによる地球温暖化といった深刻な環境問題から、一気にディーゼル車廃止の動きがヨーロッパ中に広がり、プラチナ用途の大半を占める自動車の排気ガス用触媒の需要は大きく減少しました。
ちなみに、自動車の排気ガスコンバーターの触媒として使用されるプラチナは、製造会社によりますが1台あたり約3〜10グラムと言われています。
また、その他の変動要因としては、廃棄物に含まれるプラチナを取り出し再利用するリサイクル品の2次供給が増えていることや、宝飾品としてのプラチナ最大消費国である中国の需要減、産出の大半を占める南アフリカ共和国の供給先減少や採掘にかかる人件費高騰による国内経済の低迷と通貨「ランド」が下落するなど、有史以来「プラチナが弱くなった」理由が挙げられています。

そして2020年、世界中に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、世界経済の不況や情勢不安から「有事の際の安全資産」である金(GOLD)に買いが進み、追い討ちをかけるようにますますプラチナ(白金)との価格差が広がりました。

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需要の動向から予想する、今後のプラチナ(白金)価格の展望

新型コロナウイルスの影響による世界的な不況は、多くの専門家も予想するように、ワクチンが開発されてもしばらく長引くと言われています。
たとえ新型コロナウイルスが収束したとしても、今後の自動車市場の動向を鑑みればプラチナ(白金)価格の将来は暗雲が立ち込めています。
自動車による排気ガス触媒のプラチナ需要が多いヨーロッパにおいては、すでに各国でガソリン車やディーゼル車の新車販売禁止が、ノルウェーは2025年より、スウェーデン・オランダ・ドイツは2030年より、イギリスは2035年より、フランスは2040年より、それぞれ発表されています。そして先日、アメリカのカリフォルニア州においても、2035年までに州内で販売される全ての新車に排気ガスを出さない車にするよう義務づけると発表しています。

また、宝飾品としての需要が高い中国や日本においては、特に婚約指輪・結婚指輪などのブライダル関連に需要が左右される傾向が強く、WITHコロナにおける景気の停滞や人口減少に伴う結婚率の低下が、プラチナ需要を減少させています。
もちろん将来的に、自動車市場や宝飾市場に代わる大きな需要が見つかる可能性はありますが、現状では大幅に価格が高騰するといった明るい展望は読みづらい状況です。

最後に、今プラチナ(白金)は、技術革新により採掘するよりも低コストで産業廃棄物(スクラップ車や精密機械)に含まれるプラチナを取り出し再利用するリサイクルがトレンドとして拡大傾向にあり、地上在庫として家に眠る宝飾品類のプラチナも、将来的に市場に出るであろうリサイクルとして注目されています。
そして、このような宝飾品類のプラチナ(白金)はコロナショックの影響もあり、経済誌やメディア等の報道によると含み益の残るうちに換金売りする傾向が目立っていると言います。
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