スピネルの産地ごとの特徴

2016/02/28

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スピネルはイギリス王室の戴冠式用の王冠の装飾に使われている宝石ですが、名前を聞いたことがない……
といった方も多いのではないでしょうか。

これは、ルビーとスピネルの区別がつきにくいということから、長きに渡ってルビーとしてスピネルが流通していた過去の歴史があるからかもしれません。

赤、青、黒などカラーバリエーションが豊富なスピネルですが、主にどこで産出されているのか、また、それぞれの産地でどんな特徴があるのかについてご紹介しましょう。

スピネルの主な生産地とそれぞれの特徴

土砂などが堆積した漂砂鉱床から採掘されることが多いというスピネルは、タンザニアやスリランカ、ミャンマーなどが主な産地で、その他にアフガニスタンやタイ、ロシアなどからも産出されています。

採掘される石の色は産地によってさまざまなものがありますので、主な産地ごとの特徴を具体的にご紹介します。

タンザニア産のスピネル

タンザニア産のスピネルは、1994年に開かれたダルエスサラームから南に約400㎞の地点にあるトゥンドゥル鉱山で採掘されています。

40㎞に渡る漂砂鉱床で、4000人もの人によって採掘されているというこの鉱山では、ダイヤモンドやサファイヤなどさまざまな種類の原石とともに、レッド・スピネルが産出されます。

品質は主にアクセサリークオリティーですが、中には明るいピンク色の原石が採掘されることもあります。

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スリランカ産のスピネル

南西部のラトナブラ付近で採掘されるスリランカのスピネルは、表面が風化によって摩耗している状態の原石が採掘される特徴があります。

色は青や紫、黒などが中心ですが、稀に赤系統のスピネルが産出されることもあり、中でもピンクのスピネルは高値で取引される場合があるようです。

ミャンマー産のスピネル

ルビーやサファイヤの産地として有名なミャンマーのモゴック地方は、スピネルの産地でもあります。

上質な赤やピンクの原石が産出されるほか、オレンジ・緑・青・紫といったさまざまな色のスピネルが産出されます。

色以外の特徴としては、表面が風化することによって摩耗している原石や、完全な正八面体の原石が採掘されます。

スピネルの見分け方

スピネルの品質をチェックする際は、ミャンマーのモゴックで産出されるものに見られる色が濃いタイプと、タンザニアで産出されるものに見られる淡い色を分けて考えます。

色味が濃い目のものは一見ルビーと似ているので間違えやすいですが、並べて見ればその色味の違いがはっきりと分かります。

淡めの色のものでも透明度が高いものは、また違った美しさがあります。

最高品質の証となるジェムクオリティになるのは、紅赤のモザイク模様が美しいレッド・スピネルです。

カラーバリエーションが多いスピネルは、自分の好みのものを選びやすく、デザインの幅も広がりやすい宝石だと言えます。

赤のスピネルは大人っぽい印象を与えますが、ピンクのスピネルはかわいらしいコーディネートにピッタリ。

これまでスピネルを知らなかった方も、宝石選びをする際の候補に入れてみてはいかがでしょうか。

ご紹介したスピネルの特徴などを参考に、自分好みのものを探してみてください。