金相場高騰の裏で銀相場も高騰 ― 2025年の「銀相場」に関して考える
最終更新日:2026/01/20

大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
2025年は金相場の歴史的高騰が大きく注目されましたが、その陰で銀相場(シルバー価格)も記録的な上昇を見せた一年でした。
銀は「投資対象」としての側面だけでなく、太陽光発電・EV・半導体などの産業用途を併せ持つ特殊な貴金属です。そのため、金利・為替・景気動向に加え、実需の変化によって価格が大きく変動しやすい特徴があります。
本記事では、
- 2025年の銀相場の値動き
- 銀価格高騰の背景
- 構造的な供給不足(ディフィシット)
- 今後の銀相場の見通し
について、専門的な視点からわかりやすく解説します。
2025年は貴金属相場にとって特別な一年だった
金が先導し、銀とプラチナが追随した相場展開
「貴金属」といえば、金(ゴールド)、銀(シルバー)、プラチナ(白金)が代表的ですが、2025年はこれらすべてが大きく動いた年でした。
特に金相場は、地政学リスクの高まり、金融政策の転換観測、中央銀行の買い増しなどを背景に、史上最高値を更新する局面が相次ぎました。
この金高騰が市場全体のセンチメントを押し上げ、
- プラチナは需給改善を背景に上昇
- 銀は「割安な実物資産」として資金流入
という形で波及していきました。
円安が国内の銀価格を一段と押し上げた
日本国内では、世界的な貴金属高に円安が重なったことで、円建て価格が一段と上昇しました。
銀相場は年後半にかけて上昇ペースを強め、2025年12月には国内店頭小売価格で1g=400円超と、史上最高値水準を記録しました。
特に9月以降の値上がり率は、金を上回る場面も多く、
「金はすでに高いが、銀はまだ伸びしろがある」
という投資家心理が銀相場を押し上げたと考えられます。
銀相場を押し上げた構造的な供給不足(ディフィシット)
「デビルズ・メタル」と呼ばれる銀の特性
銀(シルバー)は値動きが激しいことから、「デビルズ・メタル(悪魔の金属)」と呼ばれることがあります。
2025年の銀価格上昇は、短期的な投機だけでなく、構造的な需給逼迫が背景にありました。
産業用途が銀需要の過半数を占める時代へ
銀は投資対象として語られることが多い一方、実際の需要の中心は産業用途です。
S&Pグローバルなどの調査によると、近年の銀需要の約58%が産業用途とされ、その中でも以下の分野が拡大しています。
- 太陽光発電(PV)
- EV(電気自動車)
- 半導体・電子部品
- 精密機器・通信分野
銀は電気伝導性・耐熱性に優れ、代替が難しい金属であるため、グリーンエネルギーの普及=銀需要の拡大という構図が定着しつつあります。
銀市場は5年連続の供給不足へ
一方で、供給面は容易に増えません。
銀は金や銅の「副産物」として採掘されるケースも多く、価格が上がったからといって短期間で増産できる金属ではないのが実情です。
シルバー協会(Silver Institute)は、2025年の銀市場が5年連続のディフィシット(供給不足)になるとの見通しを示しており、これが銀相場を中長期的に下支えしています。

金利・為替と銀相場の関係
金利低下観測は銀相場に追い風
銀は金と同様に、
- 金利低下
- 米ドル安
- インフレ懸念
といった局面で買われやすい傾向があります。
2025年は米国の利下げ観測が意識される場面が多く、「金利低下=貴金属高」というセオリーが機能しました。
特に銀は価格変動が大きいため、投資マネーが流入すると上昇が加速しやすい点も特徴です。
2025年以降の銀相場の見通し
銀は「上にも下にも振れやすい」貴金属
銀相場を考えるうえで重要なのは、
「金よりも値動きが大きい」という点です。
- 上昇局面では金以上に伸びやすい
- 景気後退局面では下落も速い
この特性を理解することが、銀相場を読む前提になります。
今後の注目ポイントは2つ
① 需給バランスの行方
太陽光発電を中心とした産業需要は底堅い一方、
- 技術革新による銀使用量の削減
が進めば、需要の伸びが鈍化する可能性もあります。
② 金利・米ドルの動向
利下げやドル安が進めば銀相場には追い風となりますが、
景気後退が深刻化し産業需要が落ち込む場合、銀は金以上に価格が不安定になる点には注意が必要です。
まとめ|2025年は銀相場が「主役級」に躍り出た一年
2025年は金相場の歴史的高騰が注目されましたが、
銀相場も 「産業需要の拡大」と「深刻な供給不足」 を背景に、存在感を大きく高めた一年でした。
銀は値動きが大きい分、売却や投資のタイミング判断が難しい貴金属です。
銀(シルバー)の売却を検討している方は、ニュースの見出しだけでなく、当日の相場や市場環境を確認しながら慎重に判断することをおすすめします。
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