プラチナの歴史
最終更新日:2025/06/12


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
金と並んで高い価値を誇る貴金属「プラチナ」は、その美しさと希少性から長い年月をかけて人々を魅了してきました。本記事では、古代エジプトから現代に至るまでのプラチナの歴史と、その価値がどのように確立されていったのかを、時代を追って解説していきます。
最古のプラチナ製品は古代エジプトに
テーベの小箱とは
プラチナの存在が記録されている最古の事例として知られるのが「テーベの小箱」です。これは古代エジプトの神官シュペヌペットの墓から発見されたもので、現在はパリのルーブル美術館に収蔵されています。
この小箱は、現代でも貴重とされるプラチナを用いた非常に珍しい工芸品であり、紀元前においてすでにプラチナが利用されていた証拠となっています。
プラチナの起源と地質学的背景
プラチナは、約20億年前の隕石衝突により形成された溶岩層から採取されるとされ、自然界でも非常に限られた場所でしか見つからない稀少な金属です。こうした希少性が、古代から価値を高める要因のひとつとなっています。
南米での利用とヨーロッパでの認識
10世紀の南米におけるプラチナの使用
10世紀ごろ、南米ではすでにプラチナが宝飾品として使用されていた形跡があります。先住民たちは自然金属としてのプラチナを用い、美しい装飾品を製作していました。
ヨーロッパでは「使えない金属」だった時代
しかしながら、16世紀にスペイン軍が中南米を侵略した際、銀と誤認してプラチナを持ち帰ったものの、ヨーロッパではその高い融点により加工が困難で「役に立たない金属」とされ、廃棄されたという記録も残されています。
このような背景から、当時の技術水準ではプラチナを十分に活用できなかったことがうかがえます。

プラチナが注目され始めた18世紀
スペインの探検家による発見
18世紀に入ると、1730年代にスペインの探検家がコロンビアのピント川でプラチナを再発見。この際、「プラチナ・デル・ピント(ピント川の小さな銀)」と呼ばれたことが、現在の「プラチナ(Platina)」という名前の由来です。
科学的な研究とルイ16世時代の普及
当初は錬金術の材料として研究されていたプラチナですが、徐々にその特性が理解されるようになり、フランスのルイ16世の時代にはジュエリーや工芸品として利用されるようになります。
世界的ブランドが広めたプラチナの魅力
ルイ・カルティエとガーランド・スタイル
19世紀後半から20世紀初頭にかけて、フランスのジュエリーブランド「カルティエ」の三代目、ルイ・カルティエがプラチナの魅力をさらに世に知らしめました。
彼が手がけた「ガーランド・スタイル」は、繊細なプラチナ細工と小粒のダイヤモンドを組み合わせたデザインで、当時の上流階級に大きな人気を博しました。これにより、プラチナは高級ジュエリー素材としての地位を確立していきます。
日本におけるプラチナの歴史
江戸末期に初めてプラチナと出会う
日本においてプラチナが初めて認識されたのは江戸時代末期。遣欧使節団がロシアでプラチナと出会ったことが記録されています。
明治から昭和へと広がるプラチナ利用
明治21年(1888年)には日本で初めてプラチナ製の懐中時計が輸入されました。その後、明治24年(1891年)には村松万三郎がプラチナの溶解に成功し、軍需用や和装用の装飾品としての利用が広がっていきます。
現代におけるプラチナの地位と今後
プラチナはかつて「使えない金属」として廃棄されていたにもかかわらず、現在では金以上に希少であり、ブライダルジュエリーや産業用途など、さまざまな分野で不可欠な存在となっています。
その高い耐久性と美しさ、そして希少性ゆえに、これからもプラチナは人々の心を惹きつけ続け、新たな歴史を刻んでいくことでしょう。
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