イタリアのエルメス「ヴァレクストラ(Valextra)」とは

2024/11/01
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イタリア・ミラノが誇るラグジュアリーレザーブランド「ヴァレクストラ(Valextra)」。創業者の美学が継承されたデザインと、上質なレザーを使用し卓越されたクラフトマンシップから生まれるアイテムは、世界中のセレブリティから愛されてきました。今回はそんなブランドの歴史や特徴、人気コレクションについて解説させていただきます。

ヴァレクストラ(Valextra)の歴史

イタリアが誇る、ミラノ発祥の高級レザーブランド「ヴァレクストラ(Valextra)」。厳選された上質な素材と創業者の美学・哲学から生まれるデザイン、そして卓越したクラフトマンシップにより完成するバッグ・財布などのレザー製品は、クワイエット・ラグジュアリー(Quiet Luxury)を象徴するブランドアイテムとして知られています。クワイエット・ラグジュアリーとは、直訳すると“静かめな贅沢”“控えめな豪華”といった意味である通り、真の富裕層が好む志向です。ヴァレクストラ(Valextra)のアイテムもブランドロゴなどを前面に出さず、クオリティの高さと品格のあるデザインで世界中の錚々たる顔ぶれのセレブリティから愛されてきました。そしてその人気から、たびたびフランスのエルメス(HERMÈS) と比較され“イタリアのエルメス”と呼ばれることもあります。この度はそんなブランドの歴史や特徴・魅力、人気のコレクション・ラインなどをお話しさせていただきます。

1937年、イタリア・ミラノの中心地ピアッツァ・サン・バビラに創業した「ヴァレクストラ(Valextra)」。ブランド名の由来は、イタリア語でカバン類・カバン店を指すヴァリジェリア(Valigeria)と、特上・極上を指すエクストラ(Extra)から生まれた造語です。エルメス(HERMÈS) やグッチ(GUCCI) と同様に馬具の皮革製品からスタートしたヴァレクストラでしたが、第二次世界大戦後には創業者ジョヴァンニ・フォンタナの顧客目線に寄り添った優れた観察力とアイデアで、そのインスピレーションをデザインに落とし込み、高品質で使い勝手の良いレザーアイテムを次々と輩出していきます。1954年にはイタリアンデザインにおいて歴史と権威ある賞<コンパッソ・ドーロ賞>を”24時間バッグ”といった意味のアタッシュケース「24 hour」で受賞、1973年発表のブリーフケース「プレミエ(Premier)」は、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久展示されるなど、歴史に残る名品を生み出しました。また、ケリーバッグで有名な女優でありモナコ公妃であるグレース・ケリー、オペラ歌手のマリア・カラス、ケネディ大統領夫人ジャクリーン・ケネディ・オナシスなど歴史的なファッショニスタたちを顧客に抱え、一躍トップブランドへと駆け上がっていきます。1980年代から90年代に入ると、大規模な広告展開等の販売戦略をせず一族経営と職人気質の体質が災いとなったのかブランドは低迷期を迎え、その実力を買っていた「カルティエ(Cartier)」「ダンヒル(dunhill)」「ジョルジオ・アルマーニ(GIORGIO ARMANI)」といったラグジュアリーブランドの皮革製品を手掛け、急場を凌いでいました。2000年創業者ジョバンニの意志を継ぎ、実業家エマヌエーレ・カルミナティ・モリーナが憧れたブランドを復活させるために買収。これにより「ヴァレクストラ(Valextra)」は、次第に輝きを取り戻していきます。世界中に販売店を展開し始め、2005年には東京・銀座に旗艦店がオープン。2015年にはサラ・フェレーロが女性CEOに就任し、メンズが主力であったアイテムを規模の大きいウィメンズのマーケットに舵を切り、革小物からハンドバッグ中心の販売戦略に転換したことで、業績は約4倍に拡大します。現在は、他社とのコラボレーション企画を発表するなど時代のニーズに合わせながら進化を続け、一方でブランドのアイデンティティを大切にしながらタイムレスな真のラグジュアリーを追求しております。

ヴァレクストラ(Valextra)の特徴

こだわりの詰まったヴァレクストラ(Valextra)のアイテムの特徴は、細部にまでこだわったクラフトマンシップ、本質を見極めたシンプルなミニマルデザイン、レザーを知り尽くした高品質素材やカッティング技術、カラーバリエーションや独自開発のロックシステムなどが挙げられます。卓越したクラフトマンシップについては、糸の選定から裁断・縫製・仕上げに至るまで熟練の職人による手作業でほぼ全ての工程を手がけており、高いレベルで完成したアイテムは、作り手がわかるように一つ一つにシリアルナンバーが刻印されています。また高度な技術を持つ証として、顧客の好みに合わせたカスタムメイドのレザーアイテムの製作をするオーダーメイドサービスも提供するほどです。デザインは、派手なロゴを配さず装飾を最小限にし、無駄を削ぎ落とし機能美を追求したシンプルなミニマルデザインが特徴です。ミラノを感じさせる意匠や立体的なシェイプがその象徴と言えるでしょう。レザーに関しては、馬具の皮革製品からスタートしたこともあり、高い品質のレザーにこだわり厳選して仕入れています。またレザーのカッティング・加工技術にも定評があり、機能性を考慮しカードポケットをV字にカットしたデザインや、革の縁を黒い染料で塗って仕上げる“コスタ仕上げ”などが有名です。カラーは、通称“ペルガメナカラー”と呼ばれ1930年代より愛されていきた、ヴァレクストラのアイデンティティでありアイコンカラーのホワイトをはじめ、現在は持つ人の好みに寄り添った個性的で多彩なカラーバリエーションを展開しています。独自開発のロックシステムについては、前述で紹介したブリーフケース「プレミエ(Premier)」に搭載された通称“プレミエロック”と呼ばれるスライド式のメタルロックや、3つの構造からなるラッチロックで名探偵の名前を冠した“シャーロック・ホームズキー”を世に送り出しました。以上のような特徴こそが本物志向の人々に支持される所以であり、他のブランドとは一線を画す存在として今に至るのでしょう。

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ヴァレクストラ(Valextra)の人気コレクション

世界中にファンを持つヴァレクストラ(Valextra)のアイテム。財布・コインケース・名刺入れ・ベルト・キーケース・眼鏡ケース・ブレスレット・モバイルアクセサリーなどシンプルでタイムレスなデザインのレザー製品を幅広く展開しておりますが、今回はバッグを中心に人気コレクションを紹介させていただきます。

イジィデ(Iside)

ブランドを代表するアイコンバッグ「イジィデ」は、均整のとれたピラミッド型のフォルムが美しい人気のコレクションです。ヴァレクストラの魅力を最も体現したエレガントなバッグで、ミディアム・ミニ・マイクロなど多彩にサイズ展開をしています。

トリック トラック(Tric Trac)

1968年の発表以来ロングセラーとなっている「トリックトラック」は、ロンドンのタクシードライバーが鍵やコインなどを入れる小箱に着想を得て生まれた、機能性に優れた名作バッグです。ユニセックスのラインとして現在でも人気のコレクションです。

プレミエ(Premier)

1973年に発表のブランドを象徴するバッグの一つで、ニューヨーク近代美術館(MoMA)に永久展示されているブリーフケース。“プレミエロック”と呼ばれる独自のロックシステムと、NASAの宇宙服に使用されているものと同じ気密性の高いジッパーが採用された、最高峰のアタッシュケースとして知られています。

バビラ(Babila)

1号店があったミラノのピアッツァ・サン・バビラにちなんで名付けられた「バビラ」は、トラベル用のボストンバッグをヒントにした1987年発表の人気コレクションです。カラーバリエーションやサイズ展開が豊富で、ミニ・マイクロ等のラインはコンパクトでありながら抜群の収納力を誇り、取り外し可能なストラップも付いています。

トリエンナーレ(Triennale)

ブランドを代表するアイコンバッグの一つである「トリエンナーレ(Triennale)」。イタリア語でトリエンナーレとは“3年ごと”の意味で、3年ごとに開催される現代美術の展覧会ミラノ・トリエンナーレが名前の由来です。シンプルなトート型のアンシンメトリーなデザインが人気を博し、収納力に優れたコレクションです。

プレラ(Brera)

究極のデイバッグとして知られ、日本でも通勤バッグとして女性に人気の「プレラ(Brera)」。昔ながらのミラノを残すブレラ地区が名前の由来で、使い勝手の良さと優雅で高級感のあるデザインが特徴です。ラージ・ミディアム・マイクロなどのサイズ展開をしています。

パスパトート(Passepartout)

ブランドの中で最も汎用性の高いバッグとして知られ、ハンドバッグ・トートバッグ、ダッフルバッグなど変幻自在に形を変えて使用できます。万能性と共に美しいフォルムとデザインを併せ持ち、色々とお洒落を楽しみたい女性に嬉しい魅力が詰まったコレクションです。

バケット(BUCKET)

バケツが由来の「バケット(BUCKET)」は、名前の通りバケツを模した縦長のデザインで、モノを出し入れするのに優れた機能美あふれるコレクションです。自立性のあるフォルムは使い勝手も良く、オンオフ問わず楽しめるバッグです。

セリエエッセ(SerieS)

ヴァレクストラのルーツとアイデンティティが融合したハンドバッグ「セリエエッセ(SerieS)」。日本では「セリエエス」と呼ばれることもあるバッグは、コレクションの中で最も人間工学に基づきデザインされており、元々は1961年にメンズバッグとして生まれ、その後アップデートしウィメンズバッグとして生まれ変わり、人気を博しました。

ツイスト(Twist)

数あるコレクションのなかでも、斬新なデザインと伝統的なインスピレーションを併せ持ったトートバッグです。名前の通り“ひねる・ねじる”の意味から着想されたアシンメトリーで幾何学的なデザインと、タイムレスな印象を併せ持つ優美でエッジの利いたコレクションです。

ミラノ(Milano)

気品と機能性を併せ持つ新時代の万能バッグ「ミラノ(Milano)」。都会的な雰囲気と頑丈さを兼ね備えた日常使いとしても人気のコレクションで、アイコンバッグ「イジィデ」の要素を引き継いだ新たな名作として注目を浴びています。

その他にも「ノーロ(Nolo)」「モチ(Mochi)」「Bキューブ(B Cube)」「ケーヴァル(K-VAL)」「ホームズ&ヤン(Holmes&Yang)」など、まるで芸術作品のようなコレクションの数々を世に送り出しています。

最後に「ヴァレクストラ(Valextra)」とは、時代や流行に左右されないデザイン性・機能性・品質・クラフトマンシップを持ちながらも、“ノーロゴ”“ロゴレス”といった哲学を掲げる、現在の本物志向や多様性の時代にマッチした稀有なブランドと言えるでしょう。そして今我々は、その魅力やブランドアイデンティティを再認識する時が訪れたのかも知れません。