プラチナの性質

2015/07/10

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プラチナはアクセサリーの地金や土台として、よく使われる素材です。

今回はプラチナの性質と、その性質を生かしたプラチナ製品についてご紹介しましょう。

一体どんな鉱物なの?プラチナについての基礎知識

プラチナは白金と呼ばれていることもあり、ホワイトゴールドと混同されがちですが
全く異なる鉱物です。

ホワイトゴールドがゴールドに金属を混ぜて作られているのに対して
プラチナは元素記号のある単体の物質。

銀に色が似ているため、時代によっては銀よりも価格が安かったり
廃棄されたりしていたこともありました。

プラチナが宝飾としてその価値を認められたのは、18世紀に入ってからですので
金や銀などに比べるとずいぶん遅いのです。

なぜ、金や銀と比べて宝飾金属としての価値が認められた時期が遅いのでしょうか。

それは、プラチナは非常に融点(固体が液体になる温度)が高いという性質を
持っているためと言われています。

金や銀の融点が1,000℃前後であることに対して
プラチナは約1,700℃という高い融点を持っています。

そのため、18世紀以前は加工などの処理をする技術が追いついていなかったのです。

プラチナの主な性質

●元素記号 pt
●原子番号78
●密度 21.45
●原子量195.084
●融点約1768.3℃
●沸点3825℃
●硬度4~4.5

プラチナは金属としては比較的重く、火に溶けにくいので、加工しにくいという性質がありますが、これは化学的に変化が起こりにくい安定した性質を持っているとも言えるのです。

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希少性と強さがポイント

日本で流通しているジュエリー用のプラチナは、最低でも純度が85%以上(Pt850)以上のもので、最高純度である99.9%(Pt999)のものもあります。

純度の違いは見た目にはあまり表れませんが、価格には大きな差が出ます。

プラチナは純度が高くなるほど柔らかくなり、傷がつきやすくなるというデメリットもあります。

そのためプラチナのアクセサリー製品などでは
強度が必要な部分に異なる金属を使用している場合があります。

具体的にはネックレスやブレスレットなどの差し込み式クラスプ部分、イヤリングやピアス、ネクタイ留めなどの裏金具などには、14金(硬いので留め具に適している)などが使用されます。

一方で、汗、塩素、硫黄、漂白剤などによる変質がなく、王水(濃塩酸と濃硝酸を混合した液体)以外には溶けないという性質を持っています。

また、プラチナはごく限られた地域からしか採掘することができず、その量はゴールドの産出量の20~30分の1程度とされています。

金と銀が混ざったような上品な輝きは、さまざまな色合いの宝石と相性がよく宝石の魅力を最大限に引き出すことができますが、非常に希少性の高い鉱物なのです。

生活に密接に関係しているプラチナ

プラチナと言えば宝飾品を思い浮かべる方が多いかと思いますが、自動車の触媒(排ガス浄化装置)、燃料電池、ハードディスクなど産業利用もされています。

また、血液を酸化せず、体内への伝導性もあることから、ペースメーカーや抗がん剤の一部など医療の分野でも使用されています。

プラチナは、私たちの生活に深く関係している金属なのです。

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