プラチナを理解する!希少性でみるプラチナの特徴
2015/07/21
プラチナはアクセサリーの素材として人気ですが、高価な素材でもあるため、なかなか手が出せないという方が少なくありません。
今回はプラチナの価値について、希少性や埋蔵量などをふまえてご紹介しましょう。
今までのプラチナの小売最高価格
プラチナの今までの最高小売価格は、1980年3月6日の8,240円(g)です。
価格が高騰した理由としては、原油価格の高騰、世界情勢の悪化(ソ連のアフガン侵攻など)、円安などがあげられます。
一方、1995年には1,200円台まで下落しています。
プラチナの備蓄
日本では国際情勢の変化に対応できるように、国内消費60日分のレアメタルの国家備蓄を行っていますが、その中にプラチナは入っていません。
パナジウム、クロム、マンガン、コバルト、ニッケル、モリブデン、タングステンの7種類が備蓄の対象です。
しかし、新たな備蓄対象として、プラチナの追加も検討されているようです。
プラチナの価値の高さはどこからくる?
まずはプラチナの基礎知識を簡単にご紹介します。
プラチナの特徴を把握しておきましょう。
産出国
南アフリカ、ロシア、カナダが代表的な産出国です。
南アフリカとロシアで全体の約90%を占めます。
性質
酸、アルカリ、汗、熱、硫黄で変質することがありません。
純度
日本では、Pt850(純度85%)以上でないとプラチナ製品として認められません。
そのほか、Pt999、Pt950、Pt900が一般的です。
割り金
柔らかいプラチナは硬度を高めるために、パラジウムやイリジウムが配合されています。
用途によっては、銅、ニッケル、ルテニウムなどを加えて合金にします。
ホワイトゴールドとの違い
白金と書かれることから、ホワイトゴールドと勘違いされることが多いですが、プラチナは金ではありません。
ホワイトゴールドは、ゴールドにパラジウムや銀を混ぜて白くしているものです。
使用用途
宝飾品、自動車触媒、パソコンなどの工業用品、ペースメーカーなどの医療用品、万年筆などの文房具などに使用されます
供給量
産出量がゴールドの約30分の1と、非常に希少価値が高い金属です。
“プラチナ”になる量
原石1tから3g(リング1つ分)しか採掘されません。
“プラチナ”になるまでの日数
3gのプラチナを採掘するために、8週間程度かかるとされています。
生産性
熱に強い特性があり、加工には高い技術が必要です。
研磨の技術と工数が必要なため、生産性が低いと言えます。
用途の広さがもたらすプラチナの価値
プラチナは宝飾品のイメージが強いですが、実は全体の60%以上は工業用として使用されており、コンピュータ、自動車、医療など幅広い分野で利用されています。
有害な物質を分解する触媒としても優秀なので、地球環境を守る資源として注目されており、これからもプラチナの価値は高まっていくと考えられます。
この幅広い使用用途はプラチナの価値を高め、投資用のツールとしても高い評価を得ています。
日本でのプラチナの価値の高さ
日本では、宝飾品としてプラチナが非常に高い人気を得ています。
少し高価ではありますが、変色、変質が少なく、上品で普段使いにもぴったりなプラチナは、結婚指輪や婚約指輪に多く使用されています。
また、宝石のついたデザインの場合は、最適な純度を選ぶことでしっかりと強度を保つことができます。
プラチナの純度の低いものであれば、小さな爪で宝石の輝きを邪魔することなく留めることができますので、シンプルな指輪だけでなく、装飾のついた指輪の素材としても人気があります。
投資用としてのプラチナの価値
変質や劣化が少ないプラチナは、投資用として購入されることも少なくありません。
プラチナは、最先端の科学技術にも使用されていますので、需要がなくなることは当分ないでしょう。
ただし、プラチナの市場はゴールドよりも小さく、価格の変動が激しい特徴があります。
そのため、相場を細かくチェックしておく必要があります。
プラチナは産出量が少ないだけでなく、特性上様々な用途で使われていることも、その価値を高める要因になっているのです。