ダイヤモンドの鑑定書と鑑別書って何が違う?
2015/07/24
ダイヤモンドをはじめとするジュエリーを買った際に、鑑定書や鑑別書がついてくることがあります。
どちらも同じようなものとして認識している方が多いですが、実は全く異なるものなのです。
今回は、鑑定書と鑑別書の違いについてご紹介しましょう。
ダイヤモンドの品質を証明する鑑定書
鑑定書は、ダイヤモンドの品質を証明するもので、グレーディング・リポートとも呼ばれます。
ダイヤモンドの共通認識である4C(カラー、クラリティ、カット、カラット)に基づいた評価が記載されるため、ダイヤモンド以外の宝石で発行されることはありません。
ダイヤ1粒につき、1枚の鑑定書が必要になるので、複数のダイヤモンドが使われている場合には、鑑定書をつけないことが一般的です。
宝石の種類を証明する鑑別書
鑑別書は、宝石の種類を証明するもので、宝石の品質を表すものではありません。
また鑑別書は、天然石だけでなく、処理石、模造石、合成石などの人工石にも発行できます。
そのため、鑑別書がついているからと言って、価値の高い宝石だとは限らないのです。
そもそも鑑定書と鑑別書を発行しているのはどこ?
鑑定書や鑑別書の発行元は公共の機関ではなく、民間が運営する機関です。
ここでは、代表的な機関をご紹介しましょう。
中央宝石研究所
最大手の機関であり、信頼性の高い鑑定書、鑑別書を発行しています。
全国宝石学協会
色のついた宝石の鑑定を得意とする機関です。
こちらの鑑別書がつくことによって、ジュエリーの販売価格が上がる場合があるほど信頼性が高い機関です。
AGT(GIA)
ダイヤモンドの4Cを考案した機関です。
ダイヤモンドの鑑定書であれば、こちらの機関で発行されたものが信頼性が高いと言えます。
以上は代表的な機関になります。
騙された!鑑定書が悪用されてしまう現実
鑑定書は、有資格者が鑑定を行いますが、その信用性は購入者にはなかなか分かりづらいものがあります。
しっかりとした基準を設けているものの、鑑定士の主観でグレードを決めるため、どうしても個人差が出てしまいます。
また、中にはショップの都合の良いようにグレードを上げて鑑定書を発行することもあると言われていますので、鑑定書を鵜呑みにするのではなく、どういった機関が発行しているかもチェックしましょう。
また、高価なジュエリーを買う場合には、信頼できるブランド、ショップで購入することをおすすめします。
今回は、鑑定書と鑑別書の違いについてご紹介しました。
繰り返しになりますが、鑑定書や鑑別書がついているからといって、価値のある宝石だとは限りません。
また、ダイヤモンドをはじめとするジュエリーを購入する際は、宝石以外の要素(金地やデザイン、ブランド)の価値も総合して価格が決まります。
鑑定書は、ダイヤモンド選びの一つのポイント程度に認識しておくと良いでしょう。