ファンシーイエローダイヤモンドの品質の見分け方

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大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。

ファンシーイエローダイヤモンドとは?

イエローダイヤモンドは、カラーダイヤモンドの中では比較的市場に出回っている種類です。
大粒でリングやペンダントに単独で使用されることも多く、その明るい色彩は華やかさを演出します。ただし、すべてのイエローダイヤモンドが「ファンシーイエロー」と呼べるわけではありません。ファンシーイエローとは、色の濃さと美しい輝きを兼ね備えた、特別な品質の石に与えられる評価です。かつてブラジルやインドでダイヤモンドが採掘されていた時代には、イエローダイヤモンドはほとんど産出されませんでした。しかし、南アフリカ・ケープ州での採掘が始まって以降、多くのイエローダイヤが市場に流通するようになり、バイヤーの間では今も「ケープ」と呼ばれることがあります。その中でも、特に色が鮮やかで透明感のある黄色を持つダイヤモンドは「カナリーイエロー」と呼ばれ、極めて高い評価を受けます。カナリアの羽のように明るく鮮やかな黄色が特徴で、希少性も高いカラーです。


ファンシーイエローダイヤモンドの品質を決めるポイント

1. 色の濃さと純度

ファンシーイエローの魅力は、はっきりと認識できる黄色です。色が濃いほど価値は高くなりますが、同時にブラウンが強く混ざってしまうと美しさが損なわれるため注意が必要です。逆に色が淡すぎる場合も評価は下がる傾向があります。

2. 天然由来の色かどうか

ファンシーカラーの価値は、その色が天然であるかどうかで大きく変わります。人工的な着色や処理が施されていない、自然の色味であることが高評価の条件です。

3. 透明度(クラリティ)

傷やインクルージョン(内包物)は通常評価を下げますが、ファンシーカラーの場合は色の美しさが優先されることがあります。目立たず耐久性に影響しない傷であれば、大きなマイナス要素にはなりません。

4. カットの種類

ファンシーカラーのダイヤモンドは、ラウンドブリリアントカットよりも、色味を最大限に引き出すためのクッションカットやラディアントカットが選ばれる傾向があります。これは、カッターが石の輝きと色を最も美しく見せるための工夫です。


ファンシーイエローダイヤモンドの見分け方

天然カラーであることを確認

市場には人工的な着色を施したイエローダイヤも存在します。鑑定書に「Natural Fancy Yellow」と明記されているかを確認しましょう。

色味の均一さを見る

ファンシーイエローは石全体に均一な色味が広がっていることが理想です。色が偏っていると輝きや美しさが損なわれる場合があります。

鮮やかさと輝きのバランス

黄色の鮮やかさだけでなく、光を反射する輝きも重要です。照明の下や自然光で見比べることで、その石本来の魅力がわかります。


まとめ

ファンシーイエローダイヤモンドは、市場に比較的多く出回っているカラーダイヤですが、本当に美しいファンシーレベルの石に出会える機会は限られています。もし天然由来の鮮やかな黄色と強い輝きを持つ一石に出会えたなら、それは非常に幸運なことです。身に着けるだけで気分を明るくしてくれるファンシーイエロー。その輝きとカラーは、長く愛用できる一生ものの宝石となるでしょう。