ファンシーピンクダイヤモンドの品質の見分け方
最終更新日:2025/08/15


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
上品で可愛らしい色合いが、大人の女性にも人気のピンクダイヤモンド。
その中でも特に希少で「幻の宝石」と呼ばれるのがファンシーピンクダイヤモンドです。ここでは、ファンシーピンクダイヤモンドの特徴、品質の見分け方、選び方のポイントをご紹介します。
ファンシーピンクダイヤモンドとは?
ピンクダイヤモンドは「永遠の愛」という石言葉を持ち、婚約指輪や記念ジュエリーとして人気があります。しかし市場に出回っている多くは人工的に色を処理したもので、天然のピンクダイヤモンドは極めて稀です。主な産地はオーストラリアのアーガイル鉱山で、ここで採掘される天然ピンクダイヤは世界中で高く評価されています。しかし、アーガイル鉱山は2018年に閉山。これにより天然ファンシーピンクの供給は今後さらに減少し、価格の上昇も続くと予想されています。現在でもピンクダイヤモンドの産出量は、全ダイヤモンドのわずか0.1%と言われています。

世界的オークションでの高額落札例
2013年、サザビーズオークションにおいて59.6カラットのピンクダイヤモンドが約8,300万ドル(約90億円)で落札され、史上最高額を記録しました。
この出来事は、天然ピンクダイヤモンドの価値の高さを世界に示す象徴的な出来事です。
ファンシーピンクダイヤモンドの品質
アーガイル鉱山産のピンクダイヤは、小粒で青みや紫みがかったパープルピンクが多い傾向にあります。一方で、古くからコレクションとして愛されるのは、大粒で淡い桜色を帯びた石です。人工的に放射線や熱処理で色を変えるカラーダイヤも存在しますが、ピンクは安定して作り出すことが難しく、偶然の要素が大きいのが特徴です。このため、天然の美しいピンク色は特別な価値を持ちます。
ファンシーピンクダイヤモンドの見分け方
1. 色味のチェック
天然ファンシーピンクは、ブラウンやオレンジがかった色味が入ると価値が下がります。ピンクの濃さよりも、他の色が混ざっていないかを優先して見極めましょう。
2. パープルピンクの魅力
青みや紫みを帯びたパープルピンクは人気が高く、透明度と色の鮮やかさが両立しているものは特に評価されます。
3. 傷やインクルージョンは許容範囲
天然ダイヤモンドには多少の傷や内包物(インクルージョン)がつきものです。
色の美しさが際立っていれば、小さな傷は減点要素になりません。これは他のファンシーカラーダイヤにも共通するポイントです。
天然ファンシーピンクダイヤを選ぶ魅力
ホワイトダイヤにはない柔らかく可憐な色合いは、身につける人の印象をより華やかにします。人工処理された石でも美しさは楽しめますが、天然ファンシーピンクの輝きと存在感は唯一無二です。もし出会える機会があれば、その手馴染みの良さと温かみをぜひ体感してみてください。