プリンセスカットダイヤモンドの品質の見分け方

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大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。

シンプルなフォルムながら、見る人に強い印象を残すプリンセスカットダイヤモンド。丁寧に施されたモザイク模様が放つ、キラキラとした強い輝きは、まさにその名にふさわしい華やかさです。現在もエンゲージリングや記念ジュエリーとして高い人気を誇ります。ここでは、プリンセスカットダイヤモンドの特徴、品質評価のポイント、そして見分け方について詳しく解説します。


プリンセスカットダイヤモンドとは?

プリンセスカットダイヤモンドは1970年代に誕生した比較的新しいカットスタイルで、原石の厚みを活かして輝きを増すことが特徴です。研磨時のロスが少なく、1.5カラットの原石から1カラットのダイヤモンドを生み出せる効率的なカットとしても知られています。同じサイズの原石を使っても、ラウンドブリリアントカットの場合はおよそ0.7カラット程度になるため、プリンセスカットの歩留まりの良さが際立ちます。


デザイン面でのメリット

  • 四角形の形状により、複数の石を並べた際に隙間ができにくく、連続性のあるデザインが可能
  • 強い輝きで小さな傷が目立ちにくく、ジュエリー向き
  • リングやピアス、ネックレスなど幅広いデザインに対応可能

注意点

プリンセスカットの尖った角は衝撃に弱く、留め方によっては欠けやすいというデメリットがあります。ジュエリーとして加工する際には、角を保護するデザインやセッティングが推奨されます。

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プリンセスカットダイヤモンドの品質

プリンセスカットは原石の形を効率的に活かすため、極端に低品質な結晶が使われることはほぼありません。CやDグレードに該当するダイヤモンドが市場に出ることは非常に稀です。


理想的なプロポーション

  • 正八面体の原石からカットされ、正方形または長方形の形状
  • トータルデプス(全体の深さ)が70〜80%
    → これはラウンドブリリアントカットより10%以上深く、厚みのある構造が特徴
  • 強い輝きと広いテーブル面を兼ね備え、落ち着きのある印象

プリンセスカットダイヤモンドの見分け方

1. 色味と輝きのバランスを確認

プリンセスカットは構造上、やや黄色味が目立つ傾向があります。
選ぶ際は、輝きの強さと色のバランスを重視しましょう。

2. 複数石デザインでは輝きの均一性をチェック

数個のプリンセスカットを並べたジュエリーでは、石ごとの輝きにムラがないか確認します。全ての石が同じラインの輝きを持っていることが重要です。

3. 重量と見た目のギャップに注意

厚みのあるカットのため、同じカラットでもラウンドカットより小さく見えることがあります。重量だけで比較せず、見た目の大きさと存在感で判断するのがおすすめです。


プリンセスカットダイヤモンドの魅力とおすすめの使い方

プリンセスカットは、強い輝きと落ち着いた雰囲気を併せ持つため、エンゲージリングとしてはもちろん、日常使いのジュエリーにも適しています。
派手すぎない上品さがあるため、普段使いのリングやシンプルなピアス、ペンダントにもぴったりです。ダイヤモンドらしい輝きを楽しみたい方には、ぜひ一度手に取ってほしいカットです。