ダイヤモンドの真贋と見分け方とは?類似石との違いを徹底解説

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大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。

永遠の輝きを見極める力とは

ダイヤモンドはその硬度・輝き・希少性により、ジュエリーとして長年愛されてきた天然宝石の王様です。しかし、近年はその魅力に迫る「人工ダイヤモンド」や「模造石」も数多く流通し、一般の消費者にとっては真贋の見極めが難しくなっています。

本記事では、ダイヤモンドと類似石の違いを理解し、簡単な見分け方から専門的な鑑定方法まで、幅広くご紹介します。


類似石、偽物とされるダイヤモンドの種類

そもそもダイヤモンドの偽物というものは存在しません。ダイヤモンドに似せた石を類似石とよび、類似石をダイヤモンドと偽った場合にダイヤモンドの偽物という扱いになります。

ジルコン

ジルコンは天然石の一種で、屈折率が高く金属光沢を持つためダイヤモンドの代用品として使われます。希少性が低く安価で手に入ることから、市場には多く流通しています。特に加熱処理されたブルージルコンは12月の誕生石として人気です。

キュービックジルコニア(CZ)

ジルコニウムを酸化させた人工石であるキュービックジルコニアは、高い屈折率とモース硬度を持ち、肉眼ではダイヤモンドと見間違えることも。製造コストが低く、大量生産されているため広く流通しています。

モアッサナイト(モアサナイト)

炭化ケイ素で構成された人工宝石で、屈折率や硬度がダイヤモンドに非常に近い特徴を持ちます。天然でも極めて希少ですが、市場にあるモアッサナイトのほとんどは人工的に生成されたものです。

合成ダイヤモンド

天然ダイヤモンドと同じ炭素構造を持つ人工ダイヤモンドで、HPHT法やCVD法により合成されます。見た目や物理的性質が天然石とほぼ同じであるため、判別は専門家でも困難です。デビアス社が展開する「ライトボックス」など、合成ダイヤモンドのブランドも誕生しています。

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自宅でできるダイヤモンドの簡易的な見分け方

息を吹きかける

ダイヤモンドは熱伝導率が高いため、曇りがすぐ消えます。一方、ジルコンやキュービックジルコニアは曇りがしばらく残る特徴があります。

油性ペンや水滴によるテスト

ダイヤモンドは親油性・疏水性が高いため、油性ペンがつきやすく、水滴は球状を保ったまま弾かれます。これらの反応が見られれば、ダイヤモンドである可能性が高くなります。

紙に書かれた文字の上に置く

ダイヤモンドは光の屈折率が高く、下にある文字や線が見えにくくなります。文字が読み取れる場合は、模造石の可能性があります。


専門機器による高度な鑑定方法

ダイヤモンドテスター

熱伝導率を測定することでダイヤモンドか否かを判定します。高性能なモデルではモアッサナイトとの違いも検出可能です。

合成ダイヤモンド専用テスター

合成ダイヤモンドはその性質は天然のダイヤモンドと差がないため、肉眼では判別ができなくなっています。このため、合成ダイヤモンドの生成過程で生まれる特殊性から判別する必要があり専用のテスターが必要になります。


今後のダイヤモンドの見分けはより難しく

近年では合成ダイヤモンドやモアッサナイトといった高精度の人工石の流通が進んでおり、従来の簡易的な方法では見抜けないケースが増加しています。見た目は本物同様でも、価値は大きく異なります。

今後は、以下のような対策が必要不可欠です:

  • 信頼できる販売店で購入する
  • 高額品や心配な宝石は、専門の鑑定機関や宝石店で鑑定してもらう
  • 合成石である可能性がある場合、購入前に原産・製造方法の説明を求める

まとめ

天然ダイヤモンドの真贋を見極めるには、知識と機器の両方が必要な時代に突入しています。光の屈折や熱伝導率、化学的な特徴などを理解し、偽物と見分ける力を持つことで、大切な宝石選びにおけるリスクを大幅に減らすことができます。