偽物ダイヤモンドの真贋と見分け方とは?

2018/12/29

合成ダイヤモンドとは画像

天然ダイヤモンドは宝石として永遠の輝きをもちジュエリーとして使われたり、研磨剤等の工業用として使われるなど私たちの生活に欠かせない物となっております。
しかし近年、その輝きや美しさから宝石としての天然ダイヤモンドの代わりとなるモノが増えてきております。
一般的に「人工ダイヤモンド」「模造ダイヤモンド」等が偽物ダイヤモンドと呼ばれています。
今回はこのようなモノとダイヤモンドの真贋と見分け方をお話ししていこうかと思います。

一般的に偽物ダイヤモンドと呼ばれるモノとは

ダイヤモンドの品質とはメイン画像

一般的に偽物ダイヤモンドと呼ばれるモノにはいくつか種類がございます。
他の天然石をダイヤモンドの代替品として扱うモノやダイヤモンドと同じ成分である炭素を人工的に本物に近づけるモノ等があります。
そのうちの代表的なモノを簡単にご説明していきます。

・ジルコン

ジルコンとは、天然石の1種であり、ジルコニウムという原子で構成されています。
ダイヤモンドに比べて産出量が多く、希少性が低いために安価で手に入れることができます。
その為にダイヤモンドの代替品として扱われることがあります。
特性として天然石の中でも屈折率が高く、ダイヤモンドの光沢に似た金属光沢を持つのでダイヤモンドに似た輝くを放ちます。
また人工的に加熱処理をしたブルージルコンは12月の誕生石として人気の高い宝石です。

・ジルコニア

ジルコニアとは、ジルコニウムという原子を酸化させてできた二酸化ジルコニウムになります。
ジルコニア自体は白色顔料や差し歯、セラミックに使われることの多い物質ですが、
イットリウムやカルシウム等の酸化物を添加したキュービックジルコニアは高いモース硬度を持ち、ダイヤモンドに近い屈折率を持つので人工ダイヤモンドとして扱われます。
ジルコンより安価で作りやすい為に人工ダイヤモンドとして世の中に多く出回っております。

・モアッサナイト

モアッサナイト(モアサナイト)とは、炭化ケイ素でできた石です。
ダイヤモンドとかなり似た性質を持ちます。
光の屈折率やモース硬度はほとんど同じといっても過言ではありません。
自然界にも限定的にありますが、ほとんど取れずまた色も濁っております。
その為に世の中に出回っているモアッサナイト(モアサナイト)のほとんどは人工的に作られたモノになります。

・合成ダイヤモンド

合成ダイヤモンドとは、人工的に化学組成や結晶構造、物理的特性をダイヤモンドと同じにしたモノです。
簡単に説明するとダイヤモンドと同じ物質である炭素を高温高圧(HPHT)法や化学気相蒸着(CVD)法を用いて人工的に合成することで、化合物である人工のダイヤモンドを生成します。
この技術は年々向上してきており、天然ダイヤモンドとの区別がつかなくなっております。
2018年5月にはダイヤモンド商社最大手のデビアス(De Beers)社が合成ダイヤモンドジュエリーを販売する新ブランド「ライトボックス(Lightbox)」の設立を発表し、話題となりました。

天然ダイヤモンドの真贋と見分け方

それでは天然ダイヤモンドとそうでないモノとはどのように見分けていけば良いでしょうか?
ご自宅でもできる簡単な方法から専門店で行う方法までお話していきます。

1.息を吹きかけてみる

ダイヤモンドは熱伝導率がとても高い(約22W/(cm*K))為に息を吹きかけて曇ったとしてもすぐに透明に戻ります。
しかし、ジルコン(約1.3W/(cm*K))やキュービックジルコニア(約3W/(cm*K))は熱伝導率が低いので曇らせると少しの間、曇ったままになります。

2.油性ペンで書いたり、水滴を垂らしてみる

ダイヤモンドは親油性が高く、疏水性があります。
つまり油がくっつきやすく、水をはじきやすいということです。
直接油性ペンが書けたり、水滴を垂らすと球状のままはじかれるならダイヤモンドの可能性が高いというわけなのです。

3.紙に書いた線や文字の上に置いてみる

ダイヤモンドは取り込んだ光を大きく屈折する性質があります。
なので、紙に書いた線や文字の上にダイヤモンドを置いてみると下の線や文字が読めなくなります。
下の線や文字が読める場合はジルコンやキュービックジルコニアの可能性が高くなります。

4.ダイヤモンドテスターを使用する

ここからは専門機器が必要になる判別方法となります。
ダイヤモンドテスターとは石の持つ熱伝導率を瞬時に計測してそれがダイヤモンドか否かを判断する機器となります。
より高価な機器になるとダイヤモンドと性質がそっくりなモアッサナイトも判別できます。
専門店にあるのはより高価な機器になるので、かなり正確な結果が出るのです。

5.合成ダイヤモンドテスター

上記でも述べた合成ダイヤモンドか否かを判別する機器となります。
近年の合成ダイヤモンドは技術的な向上からダイヤモンドテスターでさえダイヤモンドと判定されるほどとなりました。
その為、専門店の中でもまだ持っていないお店もあるくらい最新の機器となります。
合成ダイヤモンドが持つ燐光の有無から判断する機器やダイヤモンドの持つ窒素濃度から判断する機器などがあります。

今後のダイヤモンドの真贋と見分け方

今後のダイヤモンドの真贋と見分け方はより難しくなっていくと言われております。
モアッサナイト(モアサナイト)や合成ダイヤモンドといった見た目や性質の酷似したモノの流通が広がっている現在では、特別な機器を用いらないと判断が難しくなっております。
お手軽にダイヤモンドと遜色のないモノを購入できるようになったことは良いことですが、反面にある懸念も広がっております。
それは悪意のある宝石売買が行われる可能性が増えるということです。
今後、ダイヤモンドの希少性は高くなるといわれているので合成ダイヤモンド等を天然モノと偽って販売する業者が増えてくるのではないかと懸念されております。
今後は信頼できる販売店からしか買わない事や怪しいモノを買ってしまった場合は専門店にすぐに確認する等の対策が必要になってくると思います。

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