今が買い時?売り時?プラチナ相場の高騰とその背景
最終更新日:2025/06/19


大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
2025年6月、プラチナ価格が急騰しています。「なぜ今、プラチナなのか?」と首をかしげる投資家も多いでしょう。しかし、この上昇には複数の構造的な要因が複雑に絡み合っており、一過性の“バブル”とは言い切れない背景があります。果たして今は“買い時”なのか、それとも“売り時”なのか? そのヒントを探るべく、現在のプラチナ市場を紐解いていきましょう。
金からプラチナへ──中国市場が大転換
まず注目すべきは、中国市場の変化です。2025年春以降、中国の宝飾品市場では「金離れ・プラチナ回帰」とも呼べる動きが起きています。金価格の高騰により消費者が手を出しにくくなった一方で、割安感のあるプラチナが脚光を浴びているのです。
実際、4月の中国向けプラチナ輸入量は11.5トンと、過去1年で最大水準に達しました。これは単なる一時的なトレンドではなく、金の飽和感を受けた“価値の再発見”と見る向きもあります。宝飾専売店やSNSではプラチナの魅力を再評価する動きが加速しており、今後も需要の底堅さが期待されます。
プラチナは“割安資産”か? 投資マネーの流入
もうひとつの大きな流れは、投資家心理の変化です。2025年、金は史上最高値圏を推移し、年初来で+27~29%もの上昇を記録。一方、プラチナは+40%超と、実は金を上回る勢いを見せています。
この背景には「金はすでに高すぎる」と感じる投資家たちの“逃避”があります。比較的安価で出遅れ感のあるプラチナに資金が流れ、ETFや先物市場でも大量の買いが入っています。まさに“代替投資資産”としてのプラチナの覚醒です。
本質的な供給不足──3年連続の供給赤字
プラチナ市場の強さは、短期的なマネーの流入だけにとどまりません。より深刻なのは、供給構造のひっ迫です。2025年の世界プラチナ供給は、前年に続き3年連続で供給赤字が予測されています。その規模は約96万オンス。南アフリカやジンバブエの鉱山生産はエネルギー問題や治安不安で不安定、地上在庫の消化も限界を迎えつつあります。
しかも、自動車の排ガス浄化装置や燃料電池といった工業用途でも根強い需要があり、供給不安は中長期的に続くと見られています。
「今が売り時」か「押し目待ち」か?──見極める2つの視点
ここで気になるのは、今が「売り時」なのか「買い時」なのかという点です。結論から言えば、短期と長期で戦略が異なります。
- 短期的には「一部売り」も選択肢
この急騰には投機的な要素も多分に含まれており、短期的な利益確定売りが出やすい局面です。すでに保有している方は、半分だけ売却して利益を確保する“ハーフリグレッション”戦略も一考に値します。 - 長期的には「押し目待ち」で継続保有もアリ
一方で、構造的な供給不足、産業需要、そして投資市場での再評価が続く限り、プラチナは“次の金”としてのポテンシャルを秘めています。価格が一時調整したとしても、それは“買い増しのチャンス”と捉える余地があります。
※プラチナを含む貴金属相場は価格変動が大きく、予測が困難な場合があります。投資にあたっては、ご自身の判断と責任のもと、リスクを十分に理解したうえで行ってください。

終わりに──“静かな主役”の逆襲が始まった
長らく金の陰に隠れていたプラチナですが、2025年に入り静かに、しかし確実に主役の座を狙う動きを見せています。中国市場の変化、投資家心理の転換、そして構造的な供給不安──これらが重なり、プラチナは今まさに“評価の再構築期”を迎えているのです。
もちろん、投資には冷静な視点が必要です。ですが、プラチナという静かな金属が放つ“輝き”に、もう一度目を向けてみてもよい頃合いかもしれません。
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