ホールマークとは?金製品のひし形刻印と国別の品位証明を徹底解説
最終更新日:2025/05/20

金製品をよく観察すると、表面に刻印が施されていることがあります。中でも「ひし形」の模様に注目したことはありますか?このひし形の刻印は「ホールマーク(品位証明記号)」と呼ばれ、その金製品の純度や品質を示す重要な情報を含んでいます。この記事では、金製品に刻印されるひし形の意味や、ホールマークの種類、国ごとの特徴について詳しく解説します。

大嶋 雄介
2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。
◾️ 目次
ひし形模様の刻印=ホールマークとは?
ホールマークとは、金・銀・プラチナといった貴金属製品に対して、第三者機関による品質証明を示す刻印です。製品が一定の純度基準を満たしていることを証明するために刻まれます。
日本では、造幣局が品位試験を実施し、基準をクリアした製品には「日本国旗マーク」「ひし形」「純度を示す数字」の3点が刻まれます。これらが揃っていれば、本物の金製品である可能性が高いといえます。
ただし、これらの刻印があっても偽物の可能性がゼロではないため、より正確な判別を行う場合は比重検査など専門的な鑑定を行うことが望ましいでしょう。
ひし形の中の数字は「金の純度」
ひし形刻印の中央に記されている数字は金の純度を示しており、一般的に「999」や「750」といった3桁の数字で表されます。これらの数字は「千分率表示」とも呼ばれ、金の含有率を千分のいくつで示しています。
数字表示 | カラット表示 | 純度の意味 |
---|---|---|
999 | K24 | 純金(99.9%の金含有) |
916 | K22 | 91.6%の金含有 |
750 | K18 | 75.0%の金含有 |
585 | K14 | 58.5%の金含有 |
416 | K10 | 41.6%の金含有 |
375 | K9 | 37.5%の金含有 |
このように、カラット表記(K24やK18)と数字表記は相互に対応しており、どちらも金製品の品位(純度)を示しています。
ホールマークの歴史と由来
ホールマークの制度が始まったのは14世紀のイギリスです。貴金属製品の品質を保証するため、ロンドンの「Gold Smith’s Hall(ゴールドスミスホール)」という会館で品質検査が行われ、合格品に刻印が施されていました。この施設名に由来し、品質保証の刻印を「ホールマーク(Hallmark)」と呼ぶようになったのです。
世界各国のホールマークの違い
日本のホールマーク(任意)
日本ではホールマークの刻印は法律で義務付けられておらず、任意での表示となっています。そのため、正規の金製品であってもホールマークが刻まれていないケースもあります。ただし、造幣局の試験に合格した製品には日本国旗マークとともに、純度を示すひし形の刻印が打刻されます。
イギリスのホールマーク(義務)
イギリスでは、ホールマークの刻印が法律で義務付けられています。イギリスのホールマークは情報量が豊富で、以下のような項目が刻印されます:
- スポンサーマーク:製造業者またはブランド
- スタンダードマーク:金属の種類と純度(例:18ctなど)
- アセイオフィスマーク:検査機関(例:ロンドン、バーミンガムなど)
- デイトレター:検査年を表す記号
- CMMマーク:ウィーン条約(ホールマーク条約)に基づく国際共通マーク
過去には「ディーティーマーク」という、税金支払い済を示す刻印も存在していました。
フランスのホールマーク
フランスでは18金以上の製品のみが金製品とされ、「poinçon(ポワンソン)」という刻印が打たれます。鷲の頭のマークなどが代表的です。また、製造工房を表す刻印も併用されるため、製造年代の推定が可能なこともあります。
中国のホールマーク
中国の金製品には、「足金」「千足金」「万足金」などの文字が刻まれていますが、これは厳密な品質保証ではなく、あくまで目安の表示です。表記通りの純度でないケースもあり、購入時には注意が必要です。
台湾のホールマーク
台湾では「999.9」などの数字刻印とともに、「100g」など重量表記がされる場合が多いです。また、「錢(チェン)」という独自の単位も使われており、1錢は3.75グラムに相当します。日本の「匁(もんめ)」に近い単位です。
ホールマークがない金製品=偽物ではない
ホールマークは品質証明として有効な手段ですが、それがないからといって偽物と断定することはできません。例えば、日本のように刻印が任意の国では、正規品であっても無刻印のものが存在します。
また、長年の使用で刻印がすり減ってしまっているケースもあるため、刻印の有無だけで真贋を判断するのは危険です。最も確実なのは、専門の貴金属鑑定士が在籍する信頼できる買取店で査定を受けることです。
まとめ:金製品の刻印を見ることでわかること
金製品に刻まれたひし形の刻印(ホールマーク)は、単なる装飾ではなく、製品の純度や品質を証明する大切な情報です。国や地域によって表示のルールやデザインは異なりますが、これらの刻印を知ることで、本物の金製品を見分けるヒントになります。
ホールマークがあるかどうか、どのような数字や記号が刻まれているかをチェックし、必要に応じて専門機関での鑑定を活用しましょう。金製品の価値を正しく理解し、安心して取り扱うためにも、刻印の知識を深めておくことが大切です。
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