ファンシーブルーダイヤモンドの品質の見分け方

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大嶋 雄介
著 者

大嶋 雄介

2010年にゴールドプラザに入社し、千葉店の店長として3年間で月間売上の最高記録を達成。鑑定士としてのキャリアをしっかりと積み上げました。その後、集客の戦略構想やSNSを活用したPR活動をしながら、リサイクル業界への深い理解と経験を積みました。現在は貴金属の換金業務に従事し、金融相場や市場動向の分析を通して緻密な専門知識を深化させています。BSテレ東「なないろ日和」などに出演。

ファンシーブルーダイヤモンドは、世界でも産出量がごくわずかな希少な宝石です。深みのある青色と歴史的なエピソードから、多くの宝石愛好家を魅了してきました。その価値は色味や産地、透明度によって大きく左右されます。本記事では、ファンシーブルーダイヤモンドの特徴や品質の見分け方、そして注意すべきポイントを詳しく解説します。


ファンシーブルーダイヤモンドとは?

ブルーダイヤモンドは、ピンクダイヤモンドと並び「奇跡のダイヤ」とも呼ばれる非常に珍しい宝石です。その中でも、特に濃く鮮やかな青色を持つものが「ファンシーブルー」に分類されます。

有名なファンシーブルーダイヤモンド

代表的な例として有名なのが「ホープダイヤモンド」です。
別名「タベルニエ・ブルー」や「フランスの青」とも呼ばれ、所有者に不幸をもたらす“呪いのダイヤ”としても知られています。

  • 起源:インドで採掘され、宝石商ジャン=バティスト・タベルニエによって1645年にヨーロッパへ持ち込まれる。
  • 歴史的事件:ルイ14世が所有して以降、フランス革命など数々の出来事に巻き込まれる。
  • その後の運命:盗難、破産、事故死、失脚などの不幸が伝説として語られる。
  • 現在:アメリカ・スミソニアン国立自然史博物館に所蔵。
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ファンシーブルーダイヤモンドの産地と希少性

かつてはインドが主要産地でしたが、1700年代以降はブラジルや南アフリカでもわずかに採掘されました。しかし現在では、南アフリカなどでごく少量見つかる程度であり、天然のファンシーブルーは世界でも極めて入手困難です。


ファンシーブルーダイヤモンドの品質評価ポイント

1. 色合い(カラー)

  • 濃いブルーが高く評価されますが、グレーがかった色は価値が下がる傾向があります。
  • 少し淡い色でも、純粋なブルーであれば非常に美しいとされます。

2. 透明度(クラリティ)

  • 内包物が少なく透明度が高いものほど評価が上がります。

3. カット

  • 色を最大限に引き出すためのカット技術が重要です。
  • ブリリアントカットやクッションカットが好まれる傾向にあります。

ファンシーブルーダイヤモンドの見分け方

グレーがかりの有無を確認

ブルーの深みを求めると、色が濃くなるにつれてグレーがかる場合があります。天然の魅力を活かすため、できるだけグレーがかっていないものを選びましょう。

加工石との区別

市場には、放射線処理で青く着色した加工ダイヤモンドも存在します。
天然と見分けるためには、鑑別書の確認が不可欠です。

鑑定の重要性

もしブルーダイヤと思われる石が手元にある場合は、必ず信頼できる宝石鑑定機関または宝石店で鑑定を受けましょう。


ファンシーブルーダイヤモンドは投資・コレクション向け

天然のファンシーブルーダイヤモンドは、現在ではジュエリー用途よりも資産価値やコレクション性が重視されます。市場に出回るのは数百年前の石も多く、その希少性からオークションで高額取引されることが一般的です。


まとめ

ファンシーブルーダイヤモンドは、美しさと希少性、そして歴史的背景を併せ持つ特別な宝石です。見分ける際には、色の純度・グレーの有無・加工歴の確認がポイントになります。
本物に出会える機会は限られますが、正しい知識と鑑定を通じて、その魅力を最大限に味わうことができます。